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著名人との対談

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vol.23和田雅子 氏 × 山本一郎

和田雅子 氏 × 山本一郎

お墓との付き合いや祖先との関係を見直す機会となりました。

和田雅子 氏

和田雅子 氏の紹介

シンガポール航空元客室乗務員
カタール航空 日本人客室乗務員インストラクター
社団法人 日本女性航空協会 理事
特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会 会員
CDA(厚生労働省指定キャリア・コンサルタント能力評定試験合格)
大学非常勤講師(ホスピタリティ論)

はじめから何でもうまくできる人はいません。
「分からない」ことは、これからエアラインを目指す人にとって大切な”武器”
の一つです。
アビオンが自信を持っているのは、応募から最終試験まで、合格のノウハウを
すべて持っていること。AVIONに来る時は「白紙」の状態でかまいません。
私たちの培ってきた理論と経験が、皆さんを空に飛び立たせる役に立てばと
思っています。採用面接官の経験から、皆さんが「魅力的な受験者」になれ
るようアドバイスします。

 

山本:

今日はどうぞよろしくお願いします。
飛行機の客室乗務員や、空港で働く地上勤務職員になるための航空業界で
働く人材育成の学校を経営されていらっしゃいますが、始められたきっかけくを教えてくれませんか。

 

和田氏:

私は、飛行機の客室乗務員になりたいと思った時、どうしていいか分かりませんでした。当時、航空業界で働く人材育成の学校が出来始めた時期だったので、実際に私も語学の勉強の仕方、面接、どんな試験があるのかなどを習いに行きました。私は元々英語が得意ではなく、外資系の航空会社を目指していていたわけでもなかったのですが、実際にやればできることがわかりました。そして航空業界で働くことを目指している人達に、協力できる場所があればと思い始めたのがきっかけです。

 

山本:

外資系の航空会社の客室乗務員として働かれていらっしゃいましたが、日本の航空会社の客室乗務員の違いは何かありますか。

 

和田氏:

私自身、日本の会社に勤務したことがないのですが、周囲の友人や同僚、航空会社関係者などの話を比べてみますと、基本的にサービスに関しては、大きな差はないと思います。日本人として、外資系の航空会社で働くとなると、その国の風土、文化に自分達が合わせながら、日本人のお客様に合ったサービスをどう提供していくかという、間に立たなければならない難しさがあると思います。日本の会社は大きな組織なので、その一員としてより良いサービスを提供することになります。私が働いていた外資系の航空会社は、日本人の客室乗務員が、入社当時は70名程度で、お互い顔や名前がわかる人間関係でしたが、他の乗務員を含めると5000人程度のなかで、どういう役割で日本人のお客様にどのようにサービスを行っていくかというような状況でした。年令の割には1人にかかる負荷が高かったのが特徴だったと思います。

 

山本:

働いていらっしゃった航空会社は、世界最高峰のサービスを提供していると言われますが、そこで学ばれたサービスとは何なのでしょうか。

 

和田氏:

その航空会社が初めてでしたので、言われている世界一のサービスとは何だろうと考え勉強しました。
その会社に入って一番よく言われたのは、お客様が私たちを頼りにしているのではなく、私たちがお客様を必要としているという感覚を持ちなさいということでした。どうしても客室乗務員は、お客様に接するうえで、何かして差し上げるという感じになります。
しかしお客様は会社を選べるのですが、選んでいただいたお客様にどのように接して、どのように満足してリピーターになっていただくかが大切だと思います。
自分たちがお客様を頼りにする感覚を持つことは、今仕事をしていても、確かにそこはビジネスの上で必要なことと思っています。何かして差し上げるということは大切なのですが、仕事としてプロフェッショナルであるということは、そういうことを意識してなければならないと思いました。

 

山本:

大変素晴らしいですね

 

和田氏:

当時は、そうなのかなあと思って聞いていました。今考えてみますと、深い意味があったと改めて思い、いまだにその言葉が心に残っています。実務面ですと、会社のロゴや細かいことに大変こだわっていたと思います。当然のことかもしれませんが、何かをお客様に提供するときには、必ずお客様にロゴを向けて出すように言われました。また、ビジネスクラス以上では、必ずお客様をお名前で呼ぶのですが、名前が長く、読み方が難しい方がいらっしゃって、苦労した思い出があります。また飲み物も数多くの種類があり、お客様が飲まれていた同じものをおかわりされた時、どの飲み物を飲まれていたかが頭の中で混乱することはよくありました。お客様への細かな気配りが、世界一のサービスと言われる理由だということがわかりました。

 

山本:

私共の会社でも、お客様に挨拶だけでなく、お名前で呼ぶようにしているのですがなかなか難しいです。飛行機のビジネスクラスでは、必ず名前で呼んでいただき、料理も違いますし大変ですね。

 

和田氏:

料理は、昔は今よりもコースをゆっくり出すことが良いサービスでした。空港が間もなく見えそうな状況で時間も無い中、わざわざケーキを切ってデザートを出すという時代もありましたが、いい勉強にもなりました。

 

山本:

着陸前になって、デザートを提供されるということは、時間との戦いになっていたのですね。そのような状況でも、対応されていらっしゃったのですね。

 

和田氏:

慣れてくるとコツがわかってきて、メリハリをつけてサービスできるようになっていきました。
それは、経験とその人の元々の資質、あとは本人の努力でもずいぶん違ってくると思います。
私が勤めていた航空会社は、訓練期間がもともと長かったです。一から一流の客室乗務員を育てて行こうとするため、まず3ヶ月半、地上での訓練があり、その後6ヶ月間フライトをしながら訓練生として勤務しました。
入社してから、1年間しっかりとすべてのことを覚え、はじめて一人前となっていました。

 

山本:

他の航空会社は訓練期間が短いのですか。

 

和田氏:

非常時の訓練はどこの航空会社でも共通して行われますが、それ以外のサービスについては、短いところだと1ヶ月半くらいのところもあります。会社によって訓練期間は異なるのですが、長くなればなるほど会社としては大変です。振り返ってみますと、会社も人の教育にお金をかけて、より良いサービスを提供して行こうという感じでした。経営陣の方がよく言われていたこととして、ハードはいつでもお金があれば他の会社も真似ができます。しかしソフトの部分は会社の固有の資産となり、容易に真似することができないので、そこを大切にしていくことが他社との差別化になると言われていたことが、ずっと記憶に残っています。

 

山本:

世界最高峰のサービスを提供されるということで、9ヶ月半の訓練は厳しかったと思います。

 

和田氏:

地上で訓練してみて、飛行機に乗って実際やってみると通用しないことや予期せぬことが数多くあります。訓練を受けた後は、実際に体験をしながら学んでいく感じでした。コスト意識がしっかりしていた会社でしたので、2年から3年は働いて会社としてはプラスマイナスゼロになるという話を聞かされました。訓練や実地で学んだことは、どんな人にも将来に役に立っていると思います。

 

山本:

お金のことから学ばせるというのがあるのでしょうか。

 

和田氏:

そうですね。勤めていた航空会社の国は多民族国家からなりたっていましたし、国も小さく国内線航路を持っていなかったので、国内での競争ではなく、世界中の航空会社の飛行機をそこの空港に集めてくるということで、世界での競争という視点で、時代の流れにどううまく乗っていくかという先見の目はあったと思います。

 

山本:

私どものお墓の業界は、全くサービスがなく、そこに特化して取り組んでいかなければならないと思っています。今の話を伺って、もっと学ばなければいけないことがたくさんあると思いました。最近いろいろなことに気が付いて、仕事が立ち遅れ、サービスができていないのは、準備不足が原因だと思っています。

 

和田氏:

準備は7割から8割とよく言われますね。

 

山本:

航空会社だと準備ができていなかったら、大変なことになりますね。

 

和田氏:

航空機のドアが閉まって飛び立ってしまったら、買い物にも行けませんし、サービスもできないので、客室乗務員の場合は、現場に入ったらあとは流れにそうだけで、サービスを提供する前の準備がとても重要です。

 

山本:

確かアメリカの経営学で、69%の人がその企業の商品を買わなくなるという興味深いデータがあります。原因は、
その商品の対応した人が嫌になって、その商品を買わなくなるようです。勤められていた航空会社の人気が上がっていったのは、その会社の客室乗務員の対応力がきっと素晴らしいということではないでしょうか。

 

和田氏:

私の勤めていた航空会社は、国内線がなかったので、自分たちは、外に目を向けないと生きていけない危機迫るものがありました。そのため、日頃から危機意識が強くなり、自分達を奮い立たせていたと思います。

 

山本:

そこは教育でそうなったのでしょうか。

 

和田氏:

そうですね。国内線がないので、海外で勝負しなければならなかったからだと思います。
その前に、なぜお客様が自分たちの会社を選ばなければいけないのか、お客様だったらどう思うのかとよく考えるように言われていました。自分たちがこの会社の社員であるというプライドを持って働きなさいという教育を受けてきました。
会社の制服を着て、その会社の一員という意識を持つことで、人はそういうふるまいになります。そのようなモチベーションの上げ方や雰囲気の作り方はとても上手で、そういう社風はあったと思います。客室乗務員の皆が、これくらいのサービスをしないとお客様に満足してもらえないという意識で臨んだ結果、時として実力以上の力を発揮できたのだと思います。

 

山本:

航空会社に今まで合格された学生や、御校に通学されている学生に対して言われていることはありますか。

 

和田氏:

やはり最終目標は航空会社への入社試験に合格するということになりますので、なぜあなたたちを航空会社が採用しなければならないのか、とよく言っています。私も外資系航空会社の採用に携わっていて、私はこんなに素晴らしいので採用して下さいと自分の思いだけを伝えられても、受験生は全員合格したいので、客室乗務員に何が求められるかを考えて振舞っていくべきなのではないですかと伝えています。自分の価値を見出すのは、自分ではなく、相手の面接官に見出してもらわないとどんなにいい人でも合格に結びつきません。面接となれば誰しも緊張するものですが、例えば仕事の延長、アルバイトの延長であって、人にサービスをする時の自分の気持ちを出すつもりで臨めば、合格するのではないですかと話をします。
学生のみなさんも航空会社への入社試験に合格すると、そのことがわかるようですが、なかなか伝わりにくいです。

 

山本:

そうなのですね。
ところで、お墓についてどう思われますか。

 

和田氏:

昨年両親が他界しまして、頻繁に墓参りに行ける距離ではないのですが、お墓との付き合いや祖先との関係を見直す機会となりました。お墓の存在は理解できるのですが、実際の管理はどうなっているのだろうかといった感じです。お墓を見守る人が途中でいなくなった場合はどうしたらいいのか。お墓のことは親世代にまかせっきりになっていて、その立場にならないとなかなか具体的なことがわからなかったりします。普段頻繁に使うものであれば知識や情報が入ってきますが、なかなか情報がなく、正直何をどうすればいいのかと感じています。だれもが気にしている部分でありながら、若干ベールに包まれた部分もあるように思います。

 

山本:

お墓の業界は、サービスとは無縁の業界でしたので、そこを改善して行きたいと思っています。先月、当社に管理しやすくするためにセグウェイを導入しました。毎朝、お供えや枯れたお花がどれくらいあるかをセグウェイに乗って少し高い視野から確認して、きれいにしています。また当社はお花屋もやっていますので、セグウェイでお客様のお墓にお花を届けたりすると、お客様が大変喜んでいただけ、親近感をもっていただけます。お客様に喜んでいただくために、何をするかを常に考え実行しています。セグウェイを導入してみて本当に良かったと思います。

 

和田氏:

お墓の管理ではそういうことも全てやっていらっしゃるのですか。

 

山本:

はい。場を提供して、管理して、石を販売し、仏事の相談などを総合的に行っています。
当社はお墓のコンビニエンスと思っています。

 

和田氏:

それはありがたいと思います。私も、今住んでいるところからお墓が遠いので、親戚はお墓の近くにいるにしても、自分がお墓参りに行けない時に、お墓はどうなっているのか、お花をお供えしておかないとなど、いろいろ不便さを感じています。きちんと管理してくださって、きれいな状態で、お墓があるというのはありがたいです。

 

山本:

本日お話いただいたことや、和田社長が書かれた『CAの方程式』の本を社員全員で読ませて頂きます。本日はどうもありがとうございました。

 

 

CAの方程式 あなたが空を翔けるために
和田 雅子 著者代表,近 勝彦・廣見剛利 共著
発行日 2014年07月15日
判型 四六判
頁数 154
税込価格 1,296円
ISBN 978-4-86186-608-1

 

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