公開日:2025年08月02日
更新日:2025年08月02日
お墓じまいは誰が行うの?
「遺言書にお墓じまいのことを書いておけば安心?」「死後の手続きを誰に頼んでおけばいい?」…。近年、終活の一環として“墓じまい”を考える方が増える中で、法的な手続きや委任のあり方についての疑問が多く寄せられています。
この記事では、遺言執行者と死後事務委任契約の違い、墓じまいの費用準備などについて、法制度と実務の両面から解説します。
Q. お墓じまいは、遺言執行者と死後事務委任のどちらが行うべきですか?
A. 原則として、死後事務委任契約の受任者が適任です。
理由は、墓じまいが「財産処分」ではなく「祭祀(さいし)承継」に関する行為とされており、法律上の扱いが異なるためです。
【1】遺言執行者の役割は財産の処分まで
遺言執行者は、遺言に書かれた財産の分配や管理が主な職務であり(民法1012条~)、墓じまいのような祭祀的行為には法的権限が及ばないことが多いです。
【2】墓じまいは「祭祀承継者」または「死後事務委任契約の受任者」が行うのが一般的
墓じまいは民法上「祭祀承継者」が行うべきとされており(民法897条)、その者が高齢や不在などで対応できない場合は、死後事務委任契約の受任者が現実的な代行者となります。
【3】遺言と死後事務委任の両方がある場合は?
たとえ遺言に「墓じまいの意思」が書かれていても、執行の法的権限は不十分です。死後事務委任契約に明確な記述がなければ、実行に移すことは難しい可能性があります。
Q. 墓じまい費用は、事前に支払っておけますか?
A. 一部可能ですが、全額前払いにはリスクがあります。実行者と資金の準備を別々に整えるのが安全です。
【1】死後事務委任契約に明記しておく
まずは、墓じまい一式を死後事務委任契約に明記しておくことが第一歩です。依頼内容や費用上限、業者指定などを細かく書くことで、受任者がスムーズに動けます。
【2】費用は「現金で預けない」。信託や預託制度を活用
受任者に直接現金を預けることは、法的な保全が弱いため非推奨です。以下の方法が現実的です:
- 信託銀行や死後事務専門サービスに資金を預ける
- 遺言で「遺産から墓じまい費用を支出」と記載
- 家族信託を活用して、生前〜死後の流れを確保
【3】業者との事前契約は「一部のみ有効」
墓石撤去などは事前見積・契約により、死亡時に実行する手配が可能です。ただし、状況の変化や契約不履行のリスクがあるため、完全な前払い契約は避けるのが無難です。
まとめ:墓じまいは「人」と「お金」の分離管理が安全策
お墓じまいをスムーズに進めるためには、以下の構成が有効です:
要素 | 方法 |
---|---|
実行者 | 死後事務委任契約の受任者に明確に依頼 |
資金管理 | 信託・預託サービスや遺言による支出指示 |
業者選定 | 事前に見積・契約し、書面に添付 |
書面整備 | 死後事務委任契約と遺言書で役割分担を記載 |
遺言では意思を残し、死後事務委任契約で具体的な執行を担保するという「役割分担」が、最も現実的かつ安全な形です。安心して最期を迎えるための備えとして、専門家と連携しながら準備を進めましょう。
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