公開日:2025年07月25日
更新日:2025年07月25日
公営墓地の返還手続きはどのようにしたらいいのですか?
目次
Q. 公営墓地の「返還」とは、具体的にどういう手続きですか?
A. 自治体から借りている墓地の「使用権」を、自治体にお返しする手続きのことです。
公営墓地は、土地そのものを購入するのではなく、永代にわたってその区画を使用する権利(永代使用権)を取得して利用しています。墓じまいなどで、その区画が不要になった際に、権利を放棄し、墓石などを撤去して更地の状態に戻してから自治体に返す、一連の手続きを「返還」と呼びます。
Q. 返還手続きの、一般的な流れを教えてください。
A. 「新しい供養先の決定」から始まり、「墓石の撤去・更地化」を経て返還完了となるのが基本的な流れです。
- ご遺骨の新しい供養先を決める: まずは、返還する前に、取り出したご遺骨をどこで供養するか(新しいお墓、永代供養墓、樹木葬、散骨など)を決めておく必要があります。
- 自治体の担当窓口へ相談: 次に、お墓のある市区町村の役所の担当窓口(環境課、都市整備課など)へ連絡し、墓地を返還したい旨を伝えます。
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ご遺骨の新しい供養先を決める: 返還する前に、取り出したご遺骨をどこで供養するか(新しいお墓、永代供養墓、樹木葬、散骨など)を決めておく必要があります。
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必要書類の準備・提出: 自治体から指示された書類(墓地返還届、改葬許可申請書など)を準備し、提出します。
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ご遺骨の取り出しと、それに伴う儀式: ご遺骨を取り出す前に、それぞれの宗教・宗派の考え方に沿って、墓前で儀式を執り行うのが一般的です。
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仏教の場合は、僧侶にお経をあげてもらい、墓石に宿る故人の魂を抜く「閉眼供養(へいがんくよう)」や「お性根抜き」と呼ばれる法要を行います。
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神道の場合は、神職が「遷霊祭(せんれいさい)」などを行い、故人の御霊(みたま)を墓石(奥津城)から移します。
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キリスト教の場合は、宗派にもよりますが、神父や牧師によるお祈りが行われることがあります。
また、特定の信仰がない場合や教義によっては、特に儀式を行わずにご遺骨を取り出すこともあります。ご自身の信仰やご家族の意向に合わせ、どのように進めるか事前に相談しておくとよいでしょう。
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墓石の撤去工事: 石材店に依頼し、墓石や外柵などをすべて撤去・処分してもらい、区画を更地の状態に戻します。
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自治体による現地確認・返還完了: 工事が完了したら自治体に連絡し、職員が現地を確認します。更地に戻っていることが確認されれば、返還手続きは完了です。
Q. 墓地を返還する際の「注意点」は何ですか?
A. いくつか重要な注意点がありますが、特に「原状回復義務」と「永代使用料は戻らない」ことは必ず知っておくべきです。
① 原状回復して更地で返す義務がある:墓地は借りているものであるため、返還する際は墓石などをすべて撤去し、借りる前の更地の状態に戻す「原状回復」が義務付けられています。この撤去費用は自己負担となります。
② 最初に支払った永代使用料は、原則として返金されない:墓地の契約時に支払った永代使用料は、基本的に戻ってきません。これは、土地代ではなく、あくまで「永代にわたる使用権」の料金だからです。
③ 年間の管理料は清算が必要:毎年度支払う管理料に未納分がある場合は、返還時に清算を求められます。
④ 事前に親族の同意を得る:お墓は家族や親族みんなにとって大切な場所です。後々のトラブルを避けるためにも、必ず事前に墓じまいと墓地の返還について話し合い、同意を得ておきましょう。
⑤ ご遺骨の行き先を必ず確保しておく:墓石を撤去する前に、ご遺骨の次の供養先が決まっていなければ、「改葬許可証」が発行されません。必ず先に行き先を決めておきましょう。
Q. 返還に費用はかかりますか?
A. 自治体に支払う手数料がかかる場合があります。また、墓石の撤去・処分費用がかかります。
手数料は自治体によって異なります。HPで記載されていることが殆どですが分からなければ、直接確認しましょう。
墓石の撤去費用は、お墓の広さや墓石の大きさ、立地条件(重機が入りやすいか等)によって異なります。まずは、石材店に解体の見積もりを取ることをお勧めします。
Q. 返還手続きは誰が行うのですか?
A. 原則として、その墓地の「使用者」として登録されている名義人本人です。
もし名義人が亡くなっている場合は、まず承継(名義変更)の手続きを行ってから、新しい名義人が返還手続きを進める必要があります。
まとめ:計画的な準備と、自治体への確認を忘れずに
公営墓地の返還は、多くの手続きと注意点があり、計画的に進めることが非常に重要です。
今回ご紹介したのは、全国の自治体で共通する一般的な流れや原則です。しかし、手続きの具体的な名称、必要書類の書式、担当する課の名前などは、自治体によって異なります。
墓じまいや墓地の返還を考え始めたら、まず第一歩として、必ずお墓のある市区町村の役所のウェブサイトを確認したり、担当窓口に直接電話で問い合わせたりして、ご自身のケースに合った正確な情報を得るようにしてください。
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