VOL.45
窪田等 氏×山本一郎
お墓は家族に会いに行く場
対談相手のご紹介
ナレーター
窪田等
hitoshi kubota
1951年生まれ、山梨県出身。ナレーター、声優。シグマ・セブン所属。
会社勤めを経て、小学生の頃より志していたナレーションの仕事に就く。
MBS「情熱大陸」、テレビ大阪「The Fishing」をはじめ、実に数多くの番組や作品でナレーションを務める。2019年4月より、ハピネスパーク千年オリーブの森のテレビCMを担当している。テレビやラジオの場に留まらず、「情熱大陸公式チャンネル」や「窪田等の世界」といったYouTubeチャンネルでも活躍している。
主な代表作はMBS「情熱大陸」・テレビ大阪「The Fishing」・日本テレビ「あのニュースで得する人損する人」・CX「F1グランプリ」など。
対談の様子
山本:今回の対談は窪田等さんにお願い致しました。窪田さんは弊社のCMのナレーションをしていただいています。また、窪田さんは、情熱大陸やザ・フィッシング等でのナレーションは余りにも有名です。やっとこの日を迎えられました。
窪田氏:対談ってあまり経験がなかったんですけど、最近やるようになったんですよ。
山本:とても嬉しいです。
窪田氏:いえいえ、こちらこそ。
山本:窪田さんのナレーターのブランティングは最高だったと思います。今弊社の取り組みが当っており、色々な地域から、弊社の樹木葬をしてほしいと言われています。我々がオープンしないような地域ですが。
窪田氏:新しく、そういうものを作ってくれとか?
山本:そうなんですよ。
窪田氏:樹齢千年って云いますが、オリーブっていうのはそこまでもったりするんですか?
山本:えぇ、昨年、イスラエルに行ってですね、キリストが最後捕まった場所なんですけど、そこに樹齢二千年のオリーブがあり、それは本当にびっくりするぐらい大きかったです。
窪田氏:それは手に入らないですよね。
山本:入らないです。そこには樹齢千年ぐらいのオリーブがいっぱいありまして、特に二千年っていうのはもう好き放題に伸びていました。
窪田氏:そうですか。
山本:はい、だいぶ本当の古木だなって思うくらい古かったんですが、悠々自適に生きていました。
窪田氏:じゃあコロナが終息すると、樹齢千年のオリーブの木は、手に入れることもできる可能性がある?
山本:でしょうかねぇ、無限にあるものではないので厳しくなっているらしいです。
窪田氏:そうですか。それはありがたい木ですね。
山本:はい、ありがたい木です本当に。
窪田氏:実に面白いなぁ。全然知らなかったから、その辺りの話は。僕が、お墓の話をしますと、お墓は非常に身近だったんですよ。というのも、僕が通っていた幼稚園は、お寺さんが経営しており、お墓で遊んだりしていたので、お墓が怖いものだというのが子供の頃一切なかったんです。非常に身近でね。それで、お墓というのは、おじいちゃんおばあちゃんが眠っているところ。そして、おじいちゃんおばあちゃんに会いに行くところだ。ずっとそう思ってたんですよね。
山本:はい。
窪田氏:そして僕の両親がとても長生きで、母は3年前に93歳で亡くなり、一昨年、父が97歳で亡くなってお墓に入ったわけです。
山本:そうなんですか。
窪田氏:更にまた不幸が続いて、去年、弟が亡くなったんですよ。
山本:う~ん。
窪田氏:いずれ、そこに僕も入ると思っていたんですけれども…。この同じことでね、僕の子供、孫から考えると、お父さん、おじいちゃんが入ってるところになる。とは言っても、「住むところが違うからお墓参りには来てくれないんじゃないの?」と思うわけです。切実な問題です。
山本:お墓の場所は遠いのですか?
窪田氏:山梨県の甲府にあります。ですから、そんなしょっちゅう行けない。そこで、弟の納骨の時にお寺の和尚さんが、「もしお墓を移すんだったら結構ですよ。」とおっしゃって…。「そうだよなぁ、お墓はこの先どうしたらいいんだろう。」と、ちょうど考えるようになりました。
山本:今はそういう問題が一番多いですよね。
窪田氏:とにかくお墓を守ってくれるよう、子供に遠方から行かせるのは可哀想だよな。親戚でもあればいいんですけど。非常にその辺りがやはり問題になって…。
山本:問題になっていますね。墓じまいをされる方のほとんどの条件です。それで、ありがたいことに僕たちは、そういう方が次に選んでくれる場所が弊社の霊園になっています。
窪田氏:そうなんでしょうね。僕はお墓というのは、やっぱり、会いに行く場所というイメージで。
山本:ああ嬉しい言葉ですね。
窪田氏:おじいちゃんおばあちゃんに、父、母、弟に会いに行く場所、ですから、お墓という形がある事が嬉しいんです。毎日、仏壇に線香をあげていますけれども、やっぱり、そこ(お墓)には骨がある。会いに行く場所であるからそういう場所が欲しいな、と。実際の話、僕は日蓮宗なんですけど、東京にお墓を移そうと思っても、東京は日蓮宗のお墓が少ないような気がするんです。だから同じ宗派でお墓を移さなければいけないとなると、結構ね、これまた壁があったり。
山本:まあ、東京は特に宗派を問わない所が多いんで。
窪田氏:あるんですよね。でもそれはどういうことかと思いましてね。
山本:広く門戸広めてどこの宗派でも良いですよっていうような。
窪田氏:その場合は、戒名を変えなければいけないんですか?
山本:いや変えなくていいですよ、もうそれは最初から宗派を問わないので、どんな宗派でも良いですよっていうことで門戸を広げているんです。
窪田氏:なるほど。いわゆる公園墓地だったらそうですよね。
山本:はい。あの、お寺の墓地でもあるはずです。
窪田氏:そうですか。
山本:あとはもう立地になると思います。窪田さんの家から近いところとか、坂が無いとか、階段が無いような。
窪田氏:そうですよね…。年を取ると限られますよね。
山本:ただ近くであると思うんですけど、一つ欠点がありまして、たぶん東京はすごく高いと思うんですよ。
窪田氏:高い!練馬辺りでは、(宅地の)坪単価よりも、お寺さんの墓地の坪単価が「えっ!?」と思うくらい高いですよね。それに今度はお墓を建てないといけないから、更に費用がかかる。
山本:まあ墓石も高価ですし、管理費も高いですからね。それは仕方がない事ですね。
窪田氏:仕方ないですよね。土地代ですし。でも、どこかで決断しないといけないなと思っていて。僕が亡くなるまでどれくらいかなと思いながらも。10年以内にはなんとかそういう準備をしないといけないとかね…。本当に切実になりました。最近、自宅にいると、「お墓いりませんか?」って電話が多いんですよ。
山本:かかってくるんですね。テレアポですね。
窪田氏:「あ、うちは僕が入る所があるからいいです。」って断っても。でもやはり子供達に迷惑がかかるから、近くにお墓を探さなければいけないと思うようになりました。お墓難民になってしまうから。そういう方は多いんでしょうね。
山本:多いです。今、少子高齢化ってよく言いますけど、僕らの業界では、造語ですが少子多死化という言葉があります。
窪田氏:なるほど。
山本:これだけ子供が減ってきてたくさん亡くなると、後継者がいないっていうのは当たり前で、何代も続いていた家が、いとも簡単に無くなってしまうような時代になっていっていると思うんです。それと、男の子がいない家とか、男の子が全く継ぐ気が無い家とかもありまして、墓じまいが増えているんです。
窪田氏:昔の流れで、長男が継いで墓守してっていうのはもう崩れていますね。
山本:崩れています。
窪田氏:次男は自分で墓をつくらなきゃいけない。昔はそうだったじゃないですか。
山本:はい。
窪田氏:弟が奥さんを亡くした時に、「兄ちゃん、うちのお墓に入れてあげてもいいか?」と聞かれて、僕は「全然かまわないよ。」と言いました。弟が言いたかったのは、「俺は本当はそこには入れない。俺は墓をつくらなきゃならない。でもそんな余裕はないし、頼むよ。」と。それで、僕は「いいよ、こっちは気にしないから」って。昔からのしきたりを守ろうとすると、お墓だらけになってしまいますよね。
山本:はい。お墓だらけになりますし、無くなっていくお墓が山ほど増えてくると思います。
窪田氏:そうですよね。
山本:ですから、大きな社会問題にはこれから必ずなっていくと思いますし、僕らの業界っていうのは、葬儀とお墓は世界基準なんですよ。どこの国でもやっていますよね。
窪田氏:やってますよね。
山本:お骨があるんで、そのお骨をどうするかというと、昔はお墓だけだったんですけど、今、選択肢がいっぱい増えたので。海に散骨する方もおられますし、チョイスするものが増えたていうのも事実です。
窪田氏:法律上その辺りは大丈夫なんですか?
山本:何海里離れてやりなさいとか。あと今、宇宙葬とかバルーン葬とかやっているみたいなんですけど、大気圏で発火して骨が散るとかですね。
窪田氏:届けを出せばそのような散骨ができるんですか。
山本:散骨はできるようになってます。
窪田氏:そうなんですね。
山本:ただ、一定数の人がそれをやっているかっていうと、意外と少人数で。メディアっていうのは変わったことをすると取り上げてくれるので良く耳にしますが、全くスタンダードではないんですね。
窪田氏:はい。
山本:核家族となり、大きい敷地に大きな墓石を建てるっていうのが必要なくなり、小さくても良いという考え方が増えました。
窪田氏:ですよねえ。だから、練馬のお墓を見たときに、やっぱり田舎のお墓と大きさが全然違うわけですよね。
山本:はい。
窪田氏:「何言ってんだ。都会はこうだよ」と友達に言われましたよ。この前も話に出たんですが、都内のいい立地に、宣伝している場所があって、納骨堂だと思うんですがね…。
山本:ビルですかね。
窪田氏:ビルです。やはり納骨堂ですか?
山本:はい。納骨堂ですね。お骨がビューっと移動してくる。
窪田氏:そうです。ああいうものはどうなのかなと思いながら、でもこれからそうなっていくのかなと思って。
山本:そうですね、東京ではもうビル型納骨堂は下火になってきてですね。大阪が、導入している会社が増えてきましたね。やっぱり、建物って老朽化しますし、新しいものが最新で古くなると売れ残りますよね。
窪田氏:はい。
山本:あれ本当に老朽化した時に、誰が今度お金を出してやっていくのかなっていう。
窪田氏:いい事を聞いた!建物は必ず老朽化しますね。
山本:大きな社会問題ですよね。中が複雑なエレベーターなんで、メンテナンスは大変で、機械物は後々本当にメンテナンスで悩むし、コストがかかります。
窪田氏:そうなんですね。
山本:はい。
窪田氏:そういう納骨堂は味気ないかなあと思って、娘に「そういうのがあるけどどうなんだ?」と聞いたところ、「その方が楽でいいんじゃない」って言われてしまいました。
山本:お参りは楽ですし、夏はお部屋で涼しいですけれど。ただほんとに、未来のことを考えると、大変です。
窪田氏:そこに行けば会えるよっていうのとは、またちょっと違うかなあ。
山本:そうですねえ。
窪田氏:でも凄いんですよ。中吊り広告や新聞チラシの宣伝が多くて、話題になって。ああいうところは楽でいいんじゃないのって思いましたけど。でも、老朽化した場合とか、そこまでは一切考えが及びませんでしたよ。
山本:やっぱりなんか、お墓っていうのは、「墓」っていう字は草冠に太陽の日が当たって、大きな土饅頭みたいなのがあってっていうのが自然じゃないかなって思うんですね。
窪田氏:なるほどねえ。
山本:ほんとに50年後、そのビルが大丈夫かなっていうのと、補強していかなくてはいけないのに多額なお金がいると思うんですよ。その時に誰がいったい出す?という問題は宗教法人さんがそこまで体力があるかどうかっていうのもありますしね。
窪田氏:いやあ、すごくいい事を聞きました。
山本:本当ですか。
窪田氏:本当です。
山本:私のところにも、ビル型納骨堂をしてほしいと依頼がありましたが、断ります。
窪田氏:本当にさっき言ったような、味気ないとか…。でも、背に腹は代えられないかなと思ってたり。でも、あの「墓」という字ね。いい事を聞いたな。
山本:はい。草冠は花ですもんね。
窪田氏:やっぱり自然の中で。
山本:ええ。
窪田氏:ああ良かった。楽な方へ考えてはダメですよね。
山本:管理が、そうなんですねえ。だからそれがみんな建物を建てるところが結構大変なことになっている。
窪田氏:やっぱり自然に。
山本:はい。平らな土地は足が不自由な方でも生きやすいかもしれませんし、女性が良いと云う場は生えると思うんです。
窪田氏:意外とそれって大事ですよね。
山本:はい。
窪田氏:行く身になってみるとね。ちょっと億劫だとかなるとね。ハピネスパークはきれいじゃないですか。
山本:ありがとうございます。
窪田氏:自分が行きたくなるような、家族を連れていきたくなるような雰囲気がありますよね。
山本:まあそれが僕の幼少期の話がありまして。お墓参り行くと、もう水場がものすごく遠いんです。大きなブリキのバケツに水を入れてきなさいって父親に言われて、重たいじゃないですか。それで、お墓までたどり着いたら水が半分くらいに無くなっていて、よく父親にげんこつされて、もう一度水を入れて来いと云われました。子供にとってはこの水が大変重いんです。あと、トイレ行きたくなり、戸を開けた瞬間、これは無理と閉めてしまうというような体験をしました。漏れる漏れるって云うと、母からは早くトイレ行きなさいと、またげんこつされたんですが、母が、馬鹿者と云い、今度は自分が戸を開けると、これは無理と母もすぐに戸を閉めましたよね。これはあかんという場が、墓の代名詞で、それに付随して微妙に坂があったり、微妙に階段があったり、舗装されてなかったり、トイレは汚いっていうのがあり、お墓参りに行くのが嫌だったですよね。親は、そのうち何か買うから行こうっていうような、じゃあ行こうというような場でした。
窪田氏:そうだったんですか。その辺りは、僕は違っていて、甲府で、同じ市内にあったから、お墓参り行くよっていうのは、おじいちゃんの所行くよっていっていう感覚でした。そんな大きいお墓じゃなかったけど。
山本:今のハピネスパークから20分もかからないような距離のお墓からでも、移転したいっていう方もおられて、階段がすごくあるとか、インフラ整備がひどいところは墓の引っ越し、墓じまいが増えています。時代がもうそうなってしまいましたね。
窪田氏:そうか、じゃあオリーブの木のある樹木葬も、整備されているから良いんですよね。
山本:そうですね。シンボルツリーがあって、周りがひとつずつ石ですけど、その前で手を合われます。あと樹木葬で言ったら、一本だけ木があって、200個くらいお骨を入れるところがあり、自分のご先祖様の前で手を合わせられないっていう、集団というか集合体になっているところがあり、そういうところはやっぱりみなさん嫌みたいですね。
窪田氏:でもそういうのがね、全然わからないんですよね。知識がないので、樹木葬とはなんぞやみたいに。樹木葬と言っても、それぞれ形が違うんですね。
山本:そうなんです、違うんです。
窪田氏:その辺りを踏まえないと、「あれ?」ってなるかもしれませんよね。
山本:弊社の樹木葬ですけど結局お墓だなって言われます。
窪田氏:そうですよね。今日はそれが理解できました。
山本:ありがとうございます。創業して24年になるんですけど、お客様が3000人以上越えまして、CMを見た創業時から知っているお客様から、CMをやるような会社になるとは思わなかった。また、あのナレーターの方って有名な方じゃないですかと言われる事がすごく嬉しかったんです。
窪田氏:ありがとうございます。
山本:ですから、先ほどお話したみたいに見ておられる人が多いですから、真面目にやっていると、こういう出会いがあって、会社もうまいこと乗せていける原因の一つにもなったかなと思って、CMをやらせてもらった事もすごく大きかったです。
窪田氏:それは本当にうれしいですね。役に立ったという事が。僕たちは意外と分からないんですよ。番組だけやっていると、「いい番組だったよね。」とスタッフたちと思っていても、視聴率が意外と良くないと、あれ?と思う事があります。視聴率で評価されるところもありますので。僕たちが仕事をしていて嬉しかった事があります。ラジオで深夜放送をやっていまして、深夜0時からの1時間のヒーリングステーションという番組で、有名なジェットストリームという番組の作家さんが書いた文章を読むんです。そうすると、リスナーの方は錯覚するんですよ、僕の事を博学だと。僕は博学ではなく、読んでいるだけなんですけど…。その中で、スタッフも驚いた事がありました。番組に手紙が来て、その内容が「私、死ぬのを止めました。」と詩みたいに書いているんです。それで、スタッフがその方に聞いたら、「疲れて仕事もうまくいかなくて、彼氏とも別れて何もかも嫌になった」と。それで帰って来た時に、“ヒーリングステーション”を聞いたら、なんかスッとして、明日も頑張ろうかなと。
山本:いい話ですね。
窪田氏:それで、その時皆思ったんです。俺たち役に立っているよ。ただ作っていて、話しているだけでは、わからないけど、こうやって聞いてくださる方がいたんだ。意外と役に立っている仕事をしているじゃないかって。勇気が湧いたんです。それって嬉しいですよね。だからYouTubeをやりだして思うのは、そういう想いを書いてくださるのが嬉しいですね。そんな風に聞いてくれて…。そういう風に周りの方から言われたというのは、嬉しいです。
山本:結構言われるんです。久しぶりに合う友人に偶然出くわした時、「TVCMやっているね。」と云われ、「ナレーターの声、情熱大陸の窪田さんなんだよ」と、必ず云います。そうすると「あの声の方は良いね」と云われるんです。
窪田氏:それは嬉しいですね。そういう事が実際には我々はわからないですからね。CMの効果があったっていうのは、良かったですね。
山本:はい、本当に良かったです。
窪田氏:認知度と、信頼感も出てくるかもしれないですね。
山本:そうですね。あと、「千年オリーブの森」っていう名前、ネーミングがもうブランド化されたっていうことと、あの、会社はハピネスパークさん、千年オリーブさんとかって。あと、8月末に108年前の電車をいただいて運んできたわけなんですよ。これで何をするかって言ったら、法要施設にしようと思ってですね、改装して。墓離れが激しいんで、子供たちが来たら、「うわ電車がある!」とかって休憩室にしようと考えました。
窪田氏:なるほど。
山本:鉄道オタクの巡礼の場所になってですね、全然そこは考えてなかったんです。
窪田氏:なるほど。
山本:社長さんが貰ってくれなかったら、スクラップになっていた電車の命を助けていただいてありがとうございました。と訪問してくれて驚きました。
窪田氏:そうですか。
山本:その方たちもコマーシャルを見て、あの声は、窪田さん!と云われて嬉しかったです。
窪田氏:そうですか。嬉しいなあ。毎日仕事していても実感として分からないから。僕はやっぱり、自分のナレーションで喜んでいただけるのが一番、嬉しいと思ってますから。それが実際に分かるのは嬉しいですね。
山本:それでは今日の対談で、タイトルを付けていただけますか。
窪田氏:そうだなあ、父母に会いに行くところですよね。お墓っていうのは。ありふれていますけども。去年、弟もなくなりましたから。そうだな、家族に会いに行くところなんだよなあ。でも、サマにならないですよね。
山本:そんなことは無いと思いますよ。
窪田氏:おじいちゃんおばあちゃんに会いに行くところだったのが、つい最近から母、父、そして弟に会いに行くところになった。仏壇とはまた違いますしね。
山本:そうですね。はい。
窪田氏:毎日こうやって位牌に線香をあげていますけど、お墓参りに行きたくなるっていうのはそういうことですよね。題名は「家族に会いに行く場」。家族っていうのも変ですかね。
山本:いや、変でないと思います。
窪田氏:家族に会いに行く場っていう言葉で締めさせていただいてよろしいですか。
山本:ありがとうございます。