VOL.44
菅原智美 氏×山本 一郎
愛する人への願いが叶う場所であってほしい
対談相手のご紹介
一般社団法人エメラルド倶楽部代表理事
菅原 智美
tomomi sugawara
■主な経歴
1970年生まれ、新潟県出身。
一般社団法人エメラルド倶楽部 代表理事・株式会社NATULUCK 代表取締役・株式会社EVEチャンネル 代表取締役。
全日空エンタープライズ・リクルート株式会社などを経て、女性起業家の社会進出・育成を目指し、2007年に株式会社NATULUCKを設立。2009年には一般社団法人エメラルド倶楽部を設立し、代表理事に就任する。翌年2019年には株式会社EVEチャンネルを設立し、代表取締役を務める。2020年現在、一般社団法人エメラルド倶楽部の登録会員数は1,500名を超えている。
対談の様子
山本:以前から菅原さんと対談したいと考えていました。なぜ菅原さんは女性だけの会を作ったのかという事です。
現代社会では、女性が上手くいっている企業はかなり業績を上げています。そこで女性だけの団体を作られた経緯を知りたいのです。どういう経緯があったのでしょうか?
菅原氏:今立ち上げて、12年目で女性の経営者だけを集めた会なのですが、元々は私が起業して、経営者になってからすごく考え方が変わったのですね。色々な経営者にお会いすることが多くなり、始めは今で言うメンタルオフィスを始めたのです。しかし、1〜2年はすごく大変でもうやり方もわからないし、どうやって営業したら良いか、経営がわからないし、赤字で大変でした。その時に経営者の仲間を作ろうと、経営者の会に入会し、100人くらい集まる会でしたが、女性が2人くらいしかいないということにすごく驚いて、経営者になってから初めて気づいた事ですが、いろいろデータを調べてみると経営者の中の女性の比率は10%もない7.8%でした。世の中の半分が女性なのにこんなに経営者が少ないんだと驚きました。その反面、世の中の消費の8割は女性が握っていると言われています。それなのに商品、サービスを提供する側の女性がこんなに少ないのはおかしな世の中だと、違和感を覚えました。それと共に事業がすごく大変だったので、いろんな経営者にどうしたら良いのか相談しました。すると殆どの男性経営者が「女なのになんでそんなことわかるの?」とか、「女だからやめたら?」とか、女だからとか女なのにとすごく言われて、逆に見返してやるって気持ちになりました。世の中、女性で仕事もプライベートも家庭も両立している人はこんなに少なく、経営者も少ない事にギャップを感じて、女性だけど、仕事も家庭もプライベートも頑張っている人にすごく会いたくなったんです。そこで女性の経営者の会を探すことになりましたが、なかなか無く、無いんだったら自分で作ろうとなり、それで始めることになりました。最初は女性の仲間が欲しかったんです。学びと出会いは大切なもので、そういったものが提供できるような会にしたい、自分も成長したかったので、結構女性経営者の方が感じると思うんですが、同級生やお友達が主婦になっていくと話が合わなくなってくるんですよね。友達は子供の話とか旦那の悪口とか、そんな話しばかりで、経営者だとそんな話はなく、本当は友達とも、もっと仕事の話をしたいのに会話がどんどん合わなくなっていく、そうすると友達がどんどん少なくなっていきました。その中で「経営者の女性仲間がほしい」と私もそうでしたし、そういう人たちが多いという事実を感じまして、であればエメラルド倶楽部という会でそういう仲間ができる会という事で始めたのがきっかけですね。そこから広告費一切掛けずに口コミだけで会員さんがどんどん仲間を連れてきて、また会員さんが増えるという形で、現在までに1500人を超える女性会員さんがおられます。
山本:それはすごいですね。1000人以上はなかなか集められないですよ。
菅原氏:今もどんどん増えていて、逆にコロナ禍になってから全国からの会員登録も増えているんですね。自粛していると余計に、今の内に何か学ぼうとか、何かしておこうと行動する方が多いのか、自粛にも関わらず会員数が凄く増えています。
山本:100人集めるのも大変ですよ。どこの団体も会員数が激減し窮地になっています。
菅原氏:目標を立てて、はじめの1年目は東京で100人集めてみようと。なんとか100人集まったんですが、女性の経営者は個性があり、難しいんですよね。女性というだけでも難しいのに更に経営者なので、はじめの100人は凄く怖くて。みなさんと私とで面談して、この人大丈夫かな?という方だけ会員さんの所にみたいな事をやらせていただき、始めの100人を集めました。それが上手くいき、良い人がどんどん集まってきて、良い人の周りには良い人がいるんですよね。そこにも驚きました。
山本:良いご縁は、誰とつきあうかで変わりますよね。菅原さんが云っているように、お墓を決める方は、ほとんど女性なんですね。
菅原氏:そうですね、決定権は女性にありますね。家を買うのも結局、女性と決める。お墓もそうですよね。
山本:私はもう両親いないんですけど、大体40歳くらいになると、両親の世代交代が起こって、父親が圧倒的に強かったんですけど、母が40歳を超える辺りから、圧倒的に強くなって、死ぬまでは母の時代でした。どこの家もそうなんでしょうかね、お母さん強い!みたいなことを云うじゃないですか?お墓の話になるんですけど、なぜか僕ら、お墓の業界って、男臭いんですよ。女性のエレガントさとかが霊園とかが我々の業界には全く無くて。
菅原氏:女性の人気は無いですか?
山本:無いですよ。
菅原氏:そういう意味では、千年オリーブの森のような素敵な霊園というのは女性が凄く好きだから、霊園というと暗くて怖いイメージがありますよね。あんまり行きたくないみたいな。それがこの霊園には全然ないから驚きました。
山本:それを打ち破るために女の人はどう思うかなと考えてやりました。ここは女性スタッフだけなんですよ。一度それでチャレンジしてみようということになって、夜遅くまで仕事をしている時があって、「君たち怖くない?早く帰らないと?」と聞いたら「ここ全然怖くないから大丈夫ですよ」と、云っていましたね。
菅原氏:バーベキューとかしたくなる感じですもんね。
山本:管理棟にある絢香の樹は、正式には楽樹といって、「楽しい」に樹木の「樹」と書くらしいんですけが、その楽樹を創ってくれた職人さんが、ここで3週間くらいのうち2週間くらいは宿を取ってはいたのですが、昨日も徹夜し、コマーシャルの撮影があるんでどうしても(工事を)終わらなきゃいけないらしく、私は第一声「怖くないですか?」って聞いたんです。「ここだったら大丈夫ですよ」って云って、寝袋も持ってきていましたからね。
菅原氏:確かに全然怖いイメージないですね。
山本:本当に怖くないです。
菅原氏:こういったとこ増えてほしいですね。
山本:僕らも素直にそう思っていて、お墓離れというのはこういう事(怖い場所というイメージ)から始まっているみたいですね。
菅原氏:だからお墓参りにも行きたくないみたいなね。暗い気持ちになるし、悪いものがついて来そうなイメージがあるから。そういう意味では霊園では女性は就職しなさそうですか?
山本:そうですね、男社会と土木仕事の延長みたいで考えられないというか。一番は働く人が嫌じゃないですか。創業した時に、当時のパートさんに「16時に帰らせてくれ」と言われたんですよ。「会社に不満があるの」って聞いたら「それは全くない」と。「なんで?」って聞いたら「怖いんです」って云ったんですよ。そう云われると私も17時頃に墓地に行く事が怖いと思ってきました。働く人が怖がる職場って有り得ないと思って、自分が夜に行っても怖くない、働く人が怖がらないものを創ればどうか?そうすると、こういう霊園ができたんです。
菅原氏:全然怖い感じがしませんもんね。どっちかと言うと楽しそうな感じ。
山本:夜はライトアップしています。
菅原氏:デートスポットになりそうな感じがしますね。
山本:夜は、門が閉まりますので中には入れないんです(笑)
いつも考えていることは、亡くなってお墓を創る家族に幸せになってほしい。家族もお墓参りに行くと良かったと思う空間。お墓参りに来ていただいたとき、ここは女性だけのスタッフなのでお客さんと会話をし、男性では聞けない相談事も女性同士なので云いやすい、女性スタッフから「社長、お客様から色々な話を聞きました」など、とにかくお客様との関係性が良いと感じました。やっぱりお墓を創ろうと思えば、今までのようなお墓は嫌ですか?
菅原氏:嫌ですね、暗い感じもしますし。
山本:お墓参りに年間でどのくらい行っていますか?
菅原氏:主人の実家は静岡なんですけど、お盆は行くようにしています。私の実家は新潟なんですけど、遠いからなかなか行けないんですよね。新潟の方はもう昔からある石ころが立っているようなお墓もあれば、大きく立派なのもあったりして、物凄く怖いんですよ。山で段差や坂道があり、歩きにくいですし。
山本:怖いとか、気持悪いと思うところに自分の好きだった人が眠るというのに矛盾を感じますよね。
菅原氏:行きたいけど「ルンルン」しないといいますかね。
山本:そうやって凄く矛盾があり、本当は会いたいけど、後ろ髪引かれるというのは、やっぱり作り手の問題が1番大きいと思います。
菅原氏:ここのような霊園だったらちょっと寄ってみようかなってなります。
山本:この前、たまたまテレビで銀座のマクドナルド第一号店の映像を見たんです。「うわ〜古い」って感じがしたんですね。しかしあのMのマークは変わっていないですし、今から20~30年前にできたマクドナルドを見ても古いと感じるんです。やはり店舗って、わからないように徐々に改装していて、今風になっていくんです。でも霊園とかお墓って全く改装しないので、50年前のままですからね。今70歳の方とかは、20歳くらいの時に親の創ったお墓を見て、いろいろ見ているんですが、古いとか、もうなんか嫌とかがあると思うんです。50~60年も前の物というのは文化遺産みたいなの物が多いと思うんですよ。それを創らない限り、永久的に残すのは難しいんではないでしょうか。私は、この霊園を創って、霊園なんかどうでもいいと思ってる人たちが、ここだったら眠っても良いと仰って頂いた時はありがたいと感じます。ありがたい事に岡山県の方が契約に来られて、「この近辺に親戚はいらっしゃるんですか?」と聞くと「いないよ」と。
菅原氏:いないけど岡山からここに!?
山本:新幹線でここにいらっしゃったので信じられないことが起こっていると感じました。それでも大阪駅の前だと、新幹線降りてすぐなので、わからないこともないんですが、この環境で大丈夫なのかと思ったんですけど、やっぱり良いと思ってもらえているんですよね。支持されたってことは非常に嬉しく思っています。人はこれからもたくさん亡くなっていきますし、子供も少なくなっていく日本の現状でやっぱり家があると言って頂かなければいけないし、残していかないといけないんですけど、このままだったら家も墓もいらないから、辞退するという選択もあり得ますね。
菅原氏:人が亡くなって、少子化になっていきますもんね。
山本:お葬式はコロナで人が行かなくなっているのは事実ですけど、あまりに簡素化しすぎて、1年くらい経ってから亡くなった事実に気づき、私からすると寂しい事ですね。お世話になった人に最期に会いたかったと、思ったりしますよね。それが人情ではないのかな。
菅原氏:ご近所付き合いも少なくなったり、確かにお葬式も小さくなり、しなくなったりとか、1番感じるのは、本人しか知らない知り合いとかを伝えたい人。例えば、私がいきなり亡くなった時に、親がお葬式に集まる時に知らない人脈がいっぱいあるわけでしょ。そういう人に伝えてほしいし、集まれる仕組みはないのかなと思いますね。
山本:私もよくこの話をしますけど、お葬式というのは次の後継のお披露目会じゃないかなと思っていて、その人がお父さん、お母さんに代わって、思い出を披露していく場だと思っています。そういう世界感の仕事が無くなっているということは寂しいですね。
菅原氏:寂しいですね。
山本:エメラルド倶楽部でそういう事を広めていって欲しいですね。どんなお墓、霊園だったら欲しいと思いますか?
菅原氏:怖くないところが良いですよね。私が小さい頃からのイメージですけど、お盆は親戚中が年に一回集まる日でそれがどんどんなくなってきたり、遠いからとか、あんまり気が進まないとかで、少なくなってきた気がしてて。こういう素敵なところだったら行こうという気持ちになったりしますよね。先祖を大切にすることは凄く重要なことだと思いますので、お盆でも集まるとか、思い出してもらう日って、大切な日でもあるし、私も亡くなったらそうして欲しいし、集まりやすい場所とか行きたくなる場所がもっと増えていって欲しいですね。もしなかったら悲しいし、寂しいですもんね。
山本:寂しいですね。人間は亡くなった時に悲しいじゃないですか。忘れ去られる時も2回目の悲しい時だと思うんですけど、それって結構早く来ているような気がします。亡くなって、ああ、こんな人いたなっていうので思い返されて良かった、そういうのが無くなって、一瞬で忘れ去られることがきているような気がします。
菅原氏:特に少子化になってきているので、それをまさにもっと伝えなきゃいけない感じがしますね。一年に一回のセレモニーみたいなね。
山本:年忌法要もしなくなってきていますし。
菅原氏:危機感を感じるとこですよね?
山本:はい。経営者、特に女性の方なんかそうですけど、不思議と子供の頃から神棚に手も合わせた事のない人たちが、絶対この人、寺も神社も行っていないという方が、事業が成功し、会社に行くと神棚があるんですけど、あれ不思議ですよね。
菅原氏:成功した経営者の事務所とか家には必ず神棚があるみたいなね。
山本:必ずあるんですよ。「これね、事業していて、うまくいったから感謝しているんだ」って、こういう方はさっき言ったお葬式とかもちゃんとしているので、やはり、冠婚葬祭が無くなっていくと日本はダメになると思います。
菅原氏:会社だと毎年初詣は必ず行ったりしますもんね。そういう祈願で絶対するものなのでね、そういう思いというのは伝えていかないといけないですね。
山本:神社も僕たちが会社全員で行くじゃないですか、すると,「ここはあんまり良くないんです」って、「なんで?」って聞いたら、「いつもお願い事してもうまくいかないから」って。「賽銭いくら入れているの」って聞いたら、「10円」って(笑)、事業やるのに10円で上手いこと行くことなんてないで(笑)、投資額が少ないと冗談で言うんですが、そこに頼んだら上手くいくって考え方が浅ましいというか、考え方を変えなきゃいけないですね。感謝の度合いが少ないと、神様出てきて、アラジンのジーニーみたいなのがいろいろ叶えてくれるなんてそれは夢ですよね。千年オリーブの森の休憩室に銀幕のスターの写真を飾っているんですが、これは私が映画を観て印象に残った方々で、休憩していたお客様のおばあちゃんが「この人知っている」とか言って、「この人亡くなったおじいちゃんが好きやった」とか「この人やったら知っている」や、話が盛り上がっているんですよ。これって私が先ほど言った「思い出す」ということで、何かの供養になっていると、最近、「思い返し」というのは、つくづく大切だなと感じています。お客さんに私もお墓を辞めとこうと思ったけど、ここやったら良いと言われるのが最高の褒め言葉になっているんですよ。
菅原氏:生きているうちにここでお墓を買いたくなる感じがします。分かんないですからね、自分が死んだ時にどんなところにどうなるのとかね。
山本:菅原さんのような、女性会員を一から1500人以上集められる方にもっとお墓参りとかしなきゃダメよとか言っていって欲しいですよね。
菅原氏:そういう事を伝えていかなきゃダメですね。神様に手を合わせるだけじゃなく、先祖も大切にしなきゃいけませんね。
山本:もう今の子供もそうですけど、手を合わせるという意味を知らないと思います。
菅原氏:あと最近聞いたんですけど、デジタルお墓みたいなのが出てきていますよね?
山本:それは10年前から話があって、コロナ禍でまた出てきたんですよ。
菅原氏:ここデジタル化しちゃって良いのかって思っちゃう(笑)
山本:珍しいから取り上げられるのであって、あれがスタンダードではないと思います。
お墓業界に対する要望はありますか?
菅原氏:現状は結局、怖いお墓が多いじゃないですか。それをどんどん変えて欲しいですね。そういう業界に女性がどんどん進出していかなきゃいけないと思いますよね。女性がお墓も決めてという業界であれば、女性が経営者で、働く人でもあり、女性視点を取り入れ、そういうところで女性がもっと活躍していかなきゃいけない業界なんじゃないかなと思います。あとは、大変だと思いますが墓参りに行きたくなるようなお墓をどんどん増やして欲しいと思います。素敵な霊園をもっと創って欲しいです。
山本:こういう霊園をやって欲しいという声が全国からありますが、他に云われることは、お墓離れとか、供養離れはなんとかしたいと、そういうところはお手伝いしていきたいと思うんですけど。
菅原氏:お寺さんからも是非ともうちもしてほしいと云われませんか?
山本:言われてはいるんですけど、1000年オリーブは何本もあるわけではないですし、100年オリーブを10本にしても1000年オリーブにはならないので。ここが良かったから次がある訳ではないので考えていかなくてはいけないですね。
菅原氏:あと樹木葬とか、ペットと入れるとかね、そういうのもありますよね。
山本:ペットと入りたい方はちょこちょこいらっしゃるんですよ。旦那と入りたくない方も結構、いらっしゃるんですよ(笑)最近多いんですけど(笑)
菅原氏:今、3人に1人は離婚しているらしいですからね。
山本:一緒に入りたくない方は、離婚はしてないのですが、結局、ご主人様が亡くなって、お墓を2つ欲しいとか。「なんで?」って聞くと「旦那と一緒のところに入りたくない」と。
菅原氏:シビアな問題ですね(笑)
山本:今度お墓を建てていただく奥さんとは古い付き合いがあるんですけど、「旦那と一緒は嫌だ」と云い「横に創って」というお話をされていました。
菅原氏:特に、エメラルド倶楽部は、女性がバリバリ仕事している方が多いのでね(笑)
昔ですけど、小学校高学年の頃に私のおばあちゃんが亡くなったんですね。おじいちゃんは私の生まれた年に亡くなったんですよ。おばあちゃんはずっと独りで仕事バリバリしていたんですけど、60歳超えた時から、彼氏ができたんですよね。そこからラブラブになって、結構街を出て2人で歩いていたりとか、2人乗りの自転車で旅に出たりとか、街で噂になるような仲良しカップルだったですよ。けど結婚はしてなくて、81歳の時に、おばあちゃんがいきなり脳梗塞で亡くなったんですね。そしたらその彼氏のおじーちゃんがおばあちゃんの遺骨を欲しいとなって、自分の方のお墓に入れたいって云われて。結婚してないんですけど、私の家庭が凄く揉めたのを覚えているんです。結局は菅原家側のお墓におばあちゃんは入ったんですけど、多分そのおじいちゃんは、死んでからも一緒に入っていたかったわけじゃないですか。子供ながらに、おばあちゃんはどっちに入りたいと思ってました。
山本:切ない話ですね。
菅原氏:新潟の田舎なので、そんな常識外れた事なんか恥ずかしくてできないって云って、結局新潟に納骨したんですけど、そういう事も多いんじゃないのかと思います。
山本:老人ホームに入って新しい出会いがあり、結婚する話を結構聞きますね。そういう事と一緒ですよね。
菅原氏:そういう時は分骨するんですか?
山本:いや、私はそこまでは聞いた事ないんですけど、あるでしょうね。
菅原氏:ちゃんと生きているうちから、自分の望むところにね、入れる感じでできたら良いなと思います。
山本:それはもう遺言書を書いておかないといけませんね。
菅原氏:「旦那とは入りたくない、この人と入れてくださいみたいな(笑)」エンディングノートは効果ないんですか?
山本:全く効果がないので遺言書に書いておかないといけません。エンディングノートは日記のようなもので効果がないんです。
菅原氏:ちゃんと遺言書に残さないとダメということですね?
山本:はい。
菅原氏:せっかくだったら、「しきたり」もあるかもしれないけど、やっぱり、愛する人と一緒に入っていたいんだよという願いを叶えてあげたいと思いますね。
山本:その願い通りの供養ができる方法を広めて頂けたら嬉しく思います。今日は色々楽しいお話を聞かせていただきありがとうございました。
菅原氏:ありがとうございました。