公開日:2025年11月21日
更新日:2025年11月17日
無縁仏を防ぐには?今できる準備と永代供養の選び方
「自分たちのお墓は、将来誰がみてくれるのだろう?」 「もし管理する人がいなくなったら、ご先祖様のお墓はどうなってしまうの?」
お墓の承継(けいしょう)は、多くの方にとって切実な悩みです。管理が途絶えたお墓の行き着く先が「無縁仏」と呼ばれる状態です。この記事では、無縁仏の現実と、それを避けるための具体的な方法について解説します。
目次
Q. そもそも「無縁仏」とは、どういう状況を指すのですか?
A. 簡単に言うと、「お墓を管理・供養する継承者(親族など)がいなくなったご遺骨やお墓」のことです。
お墓は、建てた後も霊園やお寺に「年間管理料」を支払い続けることで、その区画を使用する権利が維持されます。
しかし、お墓をみる人がいなくなり、この管理料が長期間滞納されると、墓地の管理者は法的な手続き(官報への掲載や、墓前の立て札による告知など)を経て、そのお墓を撤去・整理する権利を得ます。
Q. 管理されなくなったお墓は、最終的にどうなってしまうのですか?
A. 管理が途絶えたお墓は、以下の手順を経て「無縁仏」になります。
① 管理料の滞納
継承者がいなくなり、管理料が支払われなくなります。
② 管理者による調査・告知
管理者は
官報への掲載
墓前への立て札による公告
などで「申し出がなければ撤去します」と告知します。
※告知期間は1年が一般的ですが、墓地により異なることもあります。
③ 墓石の撤去
期限までに申し出がなければ、墓石は撤去され、区画は更地に戻されます。
④ ご遺骨は合祀(ごうし)墓へ
取り出したご遺骨は、霊園内の「無縁塚」や「合祀墓」に移され、他の方と一緒に供養されます。
ポイント:一度合祀されると、ご遺骨だけを取り出すことはできなくなります。
Q. なぜ今、無縁仏が増えているのですか?
A. 「少子高齢化」と「ライフスタイルの変化」が大きな原因です。
現代では無縁仏が急増しています。その背景には次のような社会的変化があります。
・少子高齢化により継承者がいない家庭が増えた
・子どもが遠方に住み、お墓の管理が難しくなった
・家制度が崩れ、「お墓を守る」という意識が薄まった
・単身者や子どものいない夫婦が増加した
こうした理由から、管理の途絶えるお墓が増加しています。
Q. 無縁仏になるのを避けるためには、どうすればいいですか?
A. 無縁仏になることを防ぐ方法は、大きく2つです。
【対策①】今あるお墓を整理する「墓じまい」
将来お墓を継ぐ人がいない場合は、ご自身の代でお墓を片づける「墓じまい」が有効です。
・墓石を撤去して更地に戻し、区画を返還する
・ご遺骨は永代供養が可能な場所(樹木葬・納骨堂など)へ移す
墓じまいを行うことで、後の代への負担を残さずに済みます。
【対策②】継承者が不要の「永代供養墓」を選ぶ
永代供養とは、お墓を継ぐ人がいなくても、寺院・霊園が永続的にご遺骨を管理・供養してくれる制度です。
永代供養墓を契約しておけば、無縁仏になる心配はありません。
Q. 永代供養には、どんな種類がありますか?
A. 現代のニーズに合わせて、様々なタイプの永代供養があります。
樹木葬(じゅもくそう): 樹木や草花をシンボルとして眠るお墓です。個別にお参りできる墓石が置かれる場合もございます。自然志向の方に人気です。
納骨堂(のうこつどう): 屋内にある納骨スペースです。天候に関わらずお参りでき、交通の便が良い場所にあることが多いのが特徴です。
合祀墓(ごうしぼ): 一つの大きなお墓(供養塔など)のもとに、他の方々と一緒にご遺骨を納めるお墓です。費用を最も抑えることができます。
まとめ
「無縁仏」という言葉は、少し不安を煽るかもしれません。しかし、これは「準備さえしておけば、必ず避けられる未来」でもあります。
最も大切なのは、この問題から目をそらさず、ご自身が元気なうちに「わが家のお墓をどうするか」をご家族と話し合い、具体的な対策(墓じまいや永代供養の契約)を実行しておくことです。それは、ご先祖様への供養であると同時に、遺される家族への最後の「思いやり」とも言えるでしょう。
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