公開日:2025年02月22日
更新日:2025年02月20日
線香の本数や立て方は宗派ごとに違いがありますか?
はい、線香の本数や立て方には宗派ごとに違いがあります。
目次
宗派によって違う
仏教の各宗派では、線香の供え方にそれぞれの意味や作法があります。
一般的な違いを以下にまとめました。
宗派ごとの線香の本数と立て方
浄土真宗(本願寺派・大谷派)
1本を寝かせて焚く(立てない)。
香りを仏様に供えることが重視されるため、寝かせて火をつけるのが正式。
曹洞宗・臨済宗(禅宗)
1本を立てて焚く。
煙を立ち昇らせ、仏様への供養とする。
真言宗
3本を立てて焚く。
3本は「三宝(仏・法・僧)」を表す。
天台宗
1本または3本を立てる。
3本の場合は「過去・現在・未来」を意味することも。
日蓮宗
1本または3本を立てるが、地域やお寺によって異なる場合も。
浄土宗
1本または2本を立てて焚く。
「二本立て」は「仏・法・僧」の三宝のうち、仏と法を重視する考え方に由来する。
各宗派の線香の供え方に関する詳細な説明
浄土真宗(本願寺派・大谷派)
浄土真宗では、線香を寝かせて供えるのが特徴です。この作法の背景には、「阿弥陀仏の慈悲の光は常に私たちを照らしており、煙を立てて仏様に香りを捧げる必要はない」という思想があります。浄土真宗の教えでは、仏様が常に私たちを守り、導いてくださるという信仰に基づいており、そのため煙を立てる行為は必要ないとされています。そのため、線香は寝かせて火を灯し、香りが仏様に届く形を取ります。
曹洞宗・臨済宗(禅宗)
曹洞宗や臨済宗では、線香を立てて供えるのが一般的です。ここでは、線香の煙が仏様への供養となると同時に、修行者の心を落ち着けるための道具として使われることもあります。禅宗では、線香の煙を「心の清浄」を象徴するものとして捉えており、煙が仏様に届くことで、供養を通じて自分の内面も浄化されるという教えに基づいています。また、「立てる」という行為自体が、「一筋の道」を示すものと考えられており、信仰を深めるための意味が込められています。
真言宗
真言宗では、線香を3本立てて供えることが一般的です。3本の線香には、「三宝」の教えが反映されています。三宝とは、「仏(仏陀)」、「法(教え)」、「僧(僧侶)」を指し、この3つを敬うことで仏教の教義を学び、生活に活かすことが重要だとされています。3本の線香は、この三宝の象徴として、仏陀に対する敬意を示すために使用されます。また、火を灯すことは仏の光を象徴し、仏教徒としての修行を深めるための手段でもあります。
天台宗
天台宗では、1本または3本の線香を立てることが一般的です。特に3本立てる場合は、過去、現在、未来を象徴していると言われます。過去に起きた出来事、現在進行している事象、そして未来への祈願という3つの時間的側面を、線香を立てることで仏様に伝えるという考え方です。仏教における時間観が反映されており、全ての存在が仏の慈悲によって支えられているという信仰が込められています。
日蓮宗
日蓮宗では、1本または3本の線香を立てることが一般的です。日蓮宗では、法華経の教えを重んじ、仏様や法華経への信仰を深めるために線香を使います。3本の線香を立てることもありますが、地域や寺院によって異なる場合もあります。日蓮宗の教えにおいては、線香は仏様に対する敬意と祈りを示すものとして、非常に大切にされているアイテムです。
浄土宗
浄土宗では、1本または2本の線香を立てて供えることが多いです。1本の場合は、仏・法・僧の三宝の中で「仏」と「法」を重視する教義に基づきます。2本の場合は、仏・法・僧の三宝の全てに対する敬意を表すために使われます。浄土宗の信仰では、阿弥陀仏の慈悲を中心に考えるため、線香の煙を仏様に向けて捧げることで、無限の慈悲と救いを仏に願うという意味が込められています。
線香を供える際のマナー
線香をあげる際は、火を直接吹き消さず、手であおいで消すのが基本的なマナーです。息を吹きかけることは不浄とされるため、注意しましょう。また、線香の煙や香りには場を清める意味があるため、換気の良い場所でも適度に煙を感じられるようにするとよいでしょう。
線香の意味と供養の心
線香を焚くことは、仏様や故人への供養だけでなく、私たち自身の心を落ち着かせる役割もあります。特に故人を偲ぶときや法要の際には、線香の香りを通じて心を整え、祈りを捧げることが大切です。単なる習慣としてではなく、一つひとつの動作に意味を感じながら供養を行うことで、より深い敬意と感謝の気持ちを表すことができます。
線香の長さや種類にも意味がある?
線香にはさまざまな長さや種類があり、使用する場面によって適したものがあります。例えば、家庭用の短い線香は毎日の供養に適していますが、法要などの際には長時間燃え続ける長めの線香が使われることが一般的です。また、香り付きの線香もありますが、仏教の宗派によっては無香のものを推奨する場合もあるため、使用する際には注意が必要です。
線香を供えるタイミングは決まっている?
線香は朝夕に供えるのが基本とされていますが、特に厳密な決まりはありません。故人の命日や法要の際はもちろんのこと、日常的に供えることで、故人を偲ぶ気持ちを大切にすることができます。また、お参りに訪れた際に一本だけ供えるのもよいでしょう。大切なのは、形式にとらわれすぎず、心を込めて供養することです。
注意点
自宅のお仏壇の場合は、宗派の作法に合わせるのが基本。
お寺や他家の仏前でお供えする場合は、その家やお寺のしきたりに従うのが望ましいでしょう。
火を吹き消すのは避けましょう(息は不浄とされるため、手であおぐのがマナー)。結論
線香の本数や立て方は宗派ごとに違いがあるため、自分の宗派やお寺の習慣を確認するのがよいでしょう。迷った場合は、お寺の住職や詳しい方に相談するのが安心です。
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