公開日：2024年12月23日
更新日：2024年12月25日
海洋散骨に関する法律
散骨についてインターネットなどで検索をすると「グレーな行為」だという指摘がされている場合もあります。
散骨をめぐる法的な位置づけを説明いたします。
・遺骨遺棄罪（刑法190条）
死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。
散骨は遺骨遺棄罪にあたらない
散骨という行為について
散骨をするには、文字通り遺骨を粉々に砕いてしまいます。
刑法190条の「破損」とは「物理的に破壊する行為」をいいますので、粉骨という作業は、遺骨遺棄罪に該当するように思えてしまいます。
・刑法190条の保護法益は、死者に対する社会的習俗としての宗教的感情とされています。
そこから、遺骨遺棄罪における「遺棄」とは、「社会通念上埋葬と認められない能様で放棄すること」と理解されます。
「社会通念上埋葬と認めら能様」であれば、遺骨をまいたとしても直ちに遺骨遺棄罪にはならないのです。
平成2年に法務省刑事局「刑法第190条の規定は社会的習俗としての宗教的感情などを確保する目的だから、葬送のための祭祀で節度をもって行われる限り問題ない」という見解を述べた。
墓地埋葬法との関係
・墓地埋葬法とは、「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行ってはならない」としています。
・美越智埋葬法には、散骨に関する規定がないので、規定がない以上、散骨は墓地埋葬法に違反しない。
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