VOL.18
冨野圭一 氏 × 山本一郎
当時は反対していた霊園開発、このような霊園になるとは想像もつかなかったです。
DIGEST
霊園開発の話があがってきたときには、当初反対していました。
対談相手のご紹介
冨野圭一
keiichi tomino
対談の様子
山本:
ハピネスパーク牧野霊園を造って今年でちょうど10年目になるのですが、開園前のことをよく御存じだと思うので、当時のことをお話しいただけますでしょうか。
冨野氏:
霊園開発の話があがってきたときには、当初反対していました。市役所まで押しかけて行きいろいろしましたね。住んでいる近くに霊園ができるということは初めての経験でしたので、私たちもあまりよくわかっていなかったと思います。
山本:
私も、当時の自治会長さんをはじめ本当に気の毒なことをしたと思っています。私にとっても当時の反対運動はとても勉強になりました。もし、ここに普通の霊園ができていたら、今もしこりが残っていたのかもしれないと思います。
この辺りは霊園を造る前は、冷蔵庫、洗濯機などの家電製品や車など、不法投棄が多かったのを覚えています。
冨野氏:
私もよく覚えています。周囲より少し土地が低く、沼地でした。霊園ができてから環境も改善され、不法投棄もほとんどなくなり、そういうことができないような雰囲気になりました。また、霊園の周辺にどんどん家が建ってきましたね。
山本:
そうですね。周りに家が建ったら明かりが灯り、とてもいい環境になってきていると思います。
さて、冨野様には牧野霊園でお墓を建てていただいていますが、お墓について教えていただけますか?
冨野氏:
私は、愛媛県の松山に生まれました。父親の先祖代々のお墓もそこにあり、父は次男で、今は長男が家を継いでいます。松山は松山城の城下町で、先祖については、親戚に侍がいたり、商人がいたりと言われ、150年位前のとにかく古い家がありました。私は関西に出てきて、前からお墓が欲しいと考えていました。
山本:
お墓も茨城県の石で建てていただきましたがいかがですか?
冨野氏:
とても立派な石ですね。墓の周辺に草が生えてくるので、1ヶ月に1回はお墓参りに来ています。気持ちがすっとして、心の安らぎを覚えます。
ところで、今、牧野霊園はどのくらい売れているのですか?
山本:
8割程度、ご成約をいただいております。
冨野氏:
最近新聞などを見ると、東京では土地が無くお墓を探すのが大変なようですね。
山本:
そうですね。その一方で地方では余っているようです。大阪も足りないことはないのですが、ここ10年やってきてわかったことがあります。それはきれいな霊園であれば、お墓は必要でないと思っている人でもお墓を建ててくださるのですが、予想しているほど環境整備がされていない霊園であれば、そこに眠るのをやめて納骨堂などにされるお客様が増えています。
冨野氏:
お若いのに先見の目がありますよね。今年の8月30日で48歳になられるのですよね?
山本:
ありがとうございます。大変恐縮です。そうですね。この霊園を造ったのが10年前なので当時38歳でした。霊園を造った時には、こんな明るい霊園は必要ないとか、バリアフリーはなくてもいい、墓は修行の場だなど、同業者の方々に言われたこともありました。そのようなこともありましたが、バリアフリーにして、水場をたくさん造って、萬灯祭などではお客様と触れ合う機会があり本当に良かったです。
冨野氏:
そう言えば今年の8月の萬灯祭でのコンサートの途中、歌手の方が私に向かって手を出されて握手したことがとてもうれしかったです。また、コンサートが終わって、この夏に完成した新管理棟2階のホールで行われていたマジックショーものぞいてみました。マジックショーに参加している子供達が多いことに驚きました。ホールでは法要ができるのですよね?
山本:
そうですね。管理棟2階のホールでは、いすを並べて30名程度の法要が行えます。お墓を購入していただいたお客様にこのホールを使っていただきたいという、霊園を造った当初の目的であったので是非利用していただけたらと思います。また、管理棟の1階には車いすでも入れるトイレや、エレベーターも設置しました。
萬灯祭では、昨年初めて子供達を対象にしたマジックショーを企画しました。プロの手品師の方に来ていただき、子供達が参加する形でやってもらっています。今年は、手品師の方が子供達にトランプを配ってくださって、それを大事にして、枕元に置いて寝て大切にしている様子をお客様から後で聞くと、子供達の思い出に残ってよかったと感じています。
冨野氏:
本当にありがたいですね。最近ある会館で私自身の葬儀をと考えているところなのですが、是非こちらでやりたいですね。家族や親戚だけの葬儀なら十分の広さですね。
山本:
そうですね。是非お使いいただけたらと思います。また、最近お葬式をやらずに火葬のみという直葬を行われている方もいらっしゃるようですが、お葬式はやるべきだと私は思っています。最後のお別れをみんなですることは、非常に大切だと思います。
冨野氏:
現在は牧野と交野に霊園がありますが、他の場所での霊園は考えていらっしゃるのですか?
山本:
そうですね。いろいろお話はいただいています。バリアフリーで、アクセスの良さは特に重要視しています。今の牧野・交野霊園のような霊園で、一見無駄だと思われるスペースをたくさん造りたいです。一般的な墓地では、お墓を詰めて建てる場合が多いのですが、私共の霊園ではそこに植栽をしています。植栽をやめてお墓を建てれば、その分、利益は確保できるのですが、それではあまりにも寂しくなってしまいます。ここ牧野霊園もできて10年経つので、悪いところは改修していかなければいけないところも出てきました。
最初このような霊園になると思われていらっしゃいましたか?
冨野氏:
想像もつかなかったですね。私がここ牧野霊園で気に入っているところは、霊園の入り口から見ることができる西に沈んでいく夕日です。これは何とも言えない感じです。
山本:
昨年の萬灯祭の時に、お客様がカメラでその夕日の写真を撮られていた様子が私も印象的でした。
今年で、牧野霊園ができて10年目、会社を創業して18年目になります。会社を創業して間もない頃、他の墓地で生前墓を建てていただいたお客様が、この近所に住んでいらっしゃいます。霊園ができてから、夫婦で仲良くこちらによく散歩にいらしていました。夕日が素敵で、他の墓地で建てたお墓をこちらへ移転したいとよくおっしゃっていました。最近、残念ながら奥様がお亡くなりになり、奥様が気に入っていたここ牧野霊園に、新たにお墓を建てていただいたお客様がいらっしゃいます。
冨野氏:
そうなのですね。とても素敵なお話ですね。
山本:
以前、弊社主催の京都旅行に参加していただきましたがいかがでしたか?
冨野氏:
良かったですよ。とても楽しかったです。2年に1回開催されているということですので、また来年是非参加したいと思います。
山本:
ありがとうございます。先日、偶然テレビを見ていたら、京都の世界遺産を紹介していた番組が放送されていました。ちょうど京都旅行でお客様と一緒に訪れたところが紹介されていました。次回は、世界遺産に登録されたお寺を改めてお客様とゆっくり巡りたいと考えています。また、日帰り旅行なのですが、お互いお客様が仲良くなられて、旅行から帰ってから一緒にお墓参りにいらっしゃることもあります。それもまたとても素敵だと思います。
冨野氏:
そういえば、大学院で経営学を勉強されていらっしゃったのですよね?もう卒業されたのですか?
山本:
はい。無事にこの春に修了することができました。勉強した内容は経営学に近いのですが、アントレプレナーと言って、日本ではまだあまり聞きなれない言葉かもしれないのですが、元々フランス語で、起業家を意味しています。私自身起業家で業を起こしているのですが、新しい事業を行う時の事業計画書の作り方などを学びました。入学した時は、年をとって勉強することはいいことだと思っていたのですが、それ以上にたくさんのいい出会いがあり、それが本当に良かったと思っています。仕事で困った時に教授や、実際にいろいろな事業をしている同級生に相談したりしています。自分のエネルギーにもなり本当に行って良かったと思います。
冨野氏:
それから、いつも地域のために寄付などにご協力していただいて感謝しています。
山本:
大したものではありませんが、これからは地域に愛される企業にならないといけないと考えています。先日も、「あそこは公園かと思っていたら霊園だったのね。」と牧野霊園のことを話題にしてくださっていることを耳にして大変うれしく思いました。明るくないとお墓参りしても気持ちが高ぶらないですし、地域の皆様には大変よくしていただいていてこちらこそ感謝しています。
これからも満足していただくように全身精霊でやっていきますので、宜しくお願いします。本日はどうもありがとうございました。