キング牧師とは

投稿日：2024年10月28日

こんにちは。千年オリーブの森の荻本です。

朝晩冷え込む季節となりましたね。体調をくずさないように気をつけてください。

キング牧師とは

マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師（Martin Luther King Jr.）は、アメリカの公民権運動の指導者であり、非暴力を主張した活動で多くの人に知られています。彼は特にアフリカ系アメリカ人の人種差別撤廃と平等な権利を求め、アメリカ全土で多くの人々に影響を与えました

当時の時代背景

キング牧師が育った当時、アメリカ南部では「隔離政策」は、アフリカ系アメリカ人と白人を法的に区別し、差別的な扱いを合法化するものでした。「ジム・クロウ法」とも呼ばれ、公共施設や教育、交通、飲食店、住宅など、日常生活のあらゆる場面で人種による隔離が行われていました。

その内容は、例えば黒人と白人が同じ学校に通うことは許されず、バスや電車では座席が分けられ、黒人は白人よりも後ろに座るよう義務付けられていました。また、レストランやトイレなどの施設も分離されており、「白人専用」「黒人専用」といった看板が掲げられていました。黒人専用の施設は白人用よりも劣悪な状態が多く、教育や医療など、基本的なサービスにおいても平等な権利が保障されていませんでした。

この隔離政策は1865年の南北戦争後に広がり、特に南部諸州で厳格に実施されていましたが、20世紀半ばまで続きました。キング牧師が活動していた1950年代から1960年代にかけて、この人種隔離政策に反対する公民権運動が活発化し、最終的には1964年の公民権法と1965年の投票権法の成立により、法的には撤廃されました。

どんな人生だったのか

1929年1月15日、アメリカ合衆国ジョージア州アトランタで生まれました。父親も祖父も牧師で、彼は敬虔なキリスト教家庭で育っています。しかし、幼いころから学校で仲間外れにされたり、遊んではいけないと言われたり、様々な人種差別を経験しました。当時の南部の厳しい隔離政策や差別に対して強い違和感を抱くようになります。

キング牧師はそんな環境の中でも成績優秀で、高校を飛び級で卒業した後、15歳で大学に進学しました。そこで社会学を学び、大学卒業後には神学を学びました。さらに、ボストン大学で博士号を取得し、神学と哲学の知識を深め、特に非暴力思想に影響を受けます。キング牧師は、インドの指導者マハトマ・ガンディーの非暴力運動に深く共感し、それを公民権運動に応用することを考えるようになりました。

彼が有名になった歴史

その後キング牧師は、教会で牧師となりました。

しかし1955年にアラバマ州で起こったバス・ボイコット運動（ロザ・パークス事件）をきっかけに、公民権運動のリーダーとして頭角を現していきました。

「バス・ボイコット事件（Montgomery Bus Boycott）」は、1955年にアメリカ・アラバマ州モンゴメリーで起こった公民権運動のきっかけとなる事件です。この運動はロザ・パークスという女性がが、バスの中で白人に席を譲ることを拒否したことから始まりました。

「バスの人種分離法」により、バスの前方は白人専用、後方は黒人専用の席とされ、黒人は白人のために席を譲る義務がありました。しかし、1955年12月1日、パークスはこの規則に従わず、白人に席を譲ることを拒否したため逮捕されました。彼女の行動は多くの黒人に勇気を与え、抗議のためにモンゴメリーの黒人コミュニティ全体がバスの利用をボイコットする運動へと発展しました。

バス・ボイコット運動は381日間続き、その間にアフリカ系アメリカ人たちはバスを使わずに徒歩や相乗りで移動し、交通会社に大きな経済的損害を与えました。この運動のリーダーとして若きキング牧師が選ばれ、彼の非暴力主義のもとで公民権運動が組織化されていきました。最終的に、1956年にアメリカ連邦裁判所がバスでの人種隔離は違憲であると判断し、モンゴメリー市内のバスの人種分離が廃止されました。この勝利により、非暴力による公民権運動の効果が証明され、キング牧師の全国的なリーダーとしての地位が確立され、差別撤廃に向けた象徴的な存在となったのです。