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香りは仏様の食べ物?

こんにちは。千年オリーブの森(京阪奈墓地公園内)の福井です。

五月に入ってすっかり気温が高くなり、京阪奈でもついにバラが咲き始めました。門をくぐると微かに良い香りがします。

 

ところで、「香食」という言葉をご存じでしょうか。

お墓参りや法要の際、私たちは必ずお線香をお供えします。そこには香りを食べ物として届けるという、古くからの仏教思想が息づいています。

 

・香食とは

仏教における霊的な存在(仏や亡くなった人の魂)が香りを食べるとされる考え方です。

香を焚くことは故人に対する食事の供養の一種であり、また供える側である遺族の功徳を亡くなった方に届ける手段でもあります。

また宗旨宗派によっては、亡くなってから四十九日までの間は香りのみを食べることができると言われています。そのため四十九日の間はお線香を絶やさず、故人様へ食べ物を届ける習わしがあります。

 

・香食の由来

代表的な文献には以下のような記述があります。

『阿含経(あごんきょう)』:死後の世界に入った存在の魂は、香を食として生きるとされています。

『倶舎論(くしゃろん)』:六道の最上位、天道に住まう天人は香りを食べるとされ、清浄な香こそが最高の食物として説かれています。

 

 

・宗派によって考え方は違う?

 

香食の基本はどの仏教文化にも共通していますが、協調の度合いや意味づけには違いがあります。

 

●浄土真宗

故人の魂はすでに阿弥陀仏の救いによって成仏しているとするため、「香を霊の食べ物とする」考えはあまり強調されません。

お線香も仏前に礼を尽くすため、参拝者自身の心を整えるために用いられています。

 

●曹洞宗・臨済宗

焼香・線香での供養は非常に重視されており、香食と言う言葉は前面に出ないものの「香は仏に対する供物」として明確に捉えられています。

 

●真言宗・天台宗

読経や供養の際に香を「五感全てで仏に供える」ものとし、香食に近い解釈をします。

 

●日蓮宗

香供養は重視されていますが、香食の概念よりは供養の形式美を重んじる傾向にあります。

 

とはいえ、香が清浄な物であり、仏様に届ける大切な供養であることは共通の価値観と言えるでしょう。

もし食べ物などのお供え物が用意できなくても、墓前にお線香を供えるだけで供養になります。香りのごちそうをご先祖様に届ける気持ちで、お墓参りにいらしてはいかがでしょうか。

 

この記事を書いた人

営業部・PR担当

福井 亜季

Aki Fukui

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