悠久の物語と現代の課題:浦島太郎の縁とアカミミガメの今
投稿日:2025年04月29日
浦島太郎と仏教の深遠な繋がり
浦島太郎の原型となった物語は、奈良時代に編纂された仏教説話集『日本霊異記』にも見られます。この説話では、助けた亀が美しい女性に姿を変え、浦島子という若者と夫婦になります。異郷での歓待や、地上に戻ってからの時間の流れの違いなど、後の浦島太郎の物語と共通する要素が描かれています。
『日本霊異記』は、仏教の因果応報の思想や、世の無常観を伝えることを目的とした書物です。浦島子が善行によって不思議な世界へ導かれる展開や、地上での時間の流れの速さ、そして全ては移ろいゆくという結末は、まさに仏教的な教えに通じるものがあると言えるでしょう。
また、浦島太郎が訪れる竜宮城は、単なる海の底の王国としてだけでなく、仏教における不老不死の理想郷である「常世の国」や「蓬莱山」と重ねて考えられることもあります。竜宮城での時間は地上とは異なり、永遠に近い感覚で流れているのかもしれません。
このように、古くから親しまれてきた浦島太郎の物語には、仏教の思想や世界観が深く根付いていると考えられるのです。
現代の課題:アカミミガメの「条件付特定外来生物」指定について
さて、悠久の物語から一転、現代社会における生き物の話題に移ります。近年、私たちの身近な存在であったアカミミガメが、環境省によって「条件付特定外来生物」に指定されたことをご存知でしょうか。
アカミミガメは、かつては「ミドリガメ」という愛称で親しまれ、多くの方がペットとして飼育していました。しかし、その繁殖力の高さや、様々なものを食べる雑食性から、日本の生態系への悪影響が懸念されるようになったのです。
在来の魚類や両生類、昆虫などを捕食したり、在来のカメであるニホンイシガメやクサガメと生息場所やエサを巡って競合したりすることで、生態系のバランスを崩す恐れがあります。また、一度野生化してしまうと、その数を減らすことは非常に困難です。
このような理由から、アカミミガメは2023年6月1日に「条件付特定外来生物」に指定されました。これにより、現在飼育している個体については引き続き飼育できますが、野外への放出、販売・頒布、輸入などが原則として禁止されています。
物語から学ぶ、現代への教訓
浦島太郎が助けた亀が竜宮城へと導いたように、私たちは自然界の生き物との関わりの中で、様々な恩恵を受けています。しかし、その一方で、人間の行動が予期せぬ結果を招くこともあるということを、アカミミガメの事例は私たちに教えてくれます。
安易な気持ちで飼育を始めた生き物が、後に地域の生態系に大きな影響を与えてしまう可能性があるのです。
浦島太郎の物語が私たちに語りかける無常観や因果応報の教えは、現代社会においても重要な示唆を与えてくれます。私たちは、自然との共生について、より深く考え、責任ある行動をとる必要があるのではないでしょうか。
もし現在アカミミガメを飼育されている方がいらっしゃいましたら、最後まで愛情をもって飼育していただきたいと思います。そして、これから生き物を飼育する際には、その生き物の生態や、飼育が環境に与える影響について十分に理解することが大切です。
悠久の物語と現代の課題。一見すると繋がりのないように見える二つの話題ですが、どちらも私たちに大切なことを教えてくれているように感じます。
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