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温泉と仏教のつながり

温泉の歴史

日本では古くから、水浴は心と体を清浄にするものと言われており、神道の禊ぎとして親しまれていました。朝廷で重要な儀式が催される場合、公家衆は朝早く起き、水を浴びて心身を清めてから出かけることが風習でした。

その後庶民に下りてきたのが行水(ぎょうずい)という習慣が流行し一般的になりました。

そして、8世紀頃、大陸から数多くの仏教経典と共に「温室経(うんじつぎょう)」というお経が伝来しました。

これは「風呂に入ると功徳が得られる」という教えで、沸かしたお湯や温泉は入ることで、功徳が得られる。7つの病を除くことができ、七福が得られる。と教えられました。

日本では、石器時代の遺跡から温泉が利用されてきた痕跡も発見されているが、温泉が文献資料に表れるのは奈良時代からで、『古事記』『日本書紀』などだけでなく風土記にも登場していることから

民衆に親しまれていることが分かっています。

開湯伝説

開湯伝説とは、長い歴史を持つ温泉地に伝わる「温泉の発見にまつわる伝説・伝承」のことでいくつか種類があります。

・神仏によって開かれたとされる温泉地

・動物が集まる温泉

・高僧が発見した温泉

です。

仏教と深くかかわりのある弘法大師空海は日本の風呂文化のなかで浄めと癒しという概念を普及させたという説があります。弘法大師空海が関わる開湯伝説は、東日本を中心に数多く存在しています。なかでも有名なものは、静岡県の修善寺温泉です。
弘法大師空海が修善寺を訪れた際、近くにある桂川の水で病気の父のからだを洗っている少年と出会います。
そこで弘法大師空海が「川の水で洗ったのでは冷たいだろう」と独鈷杵で岩を砕くと、霊泉が湧き出たのだそうです。
この伝承に由来して、そのとき湧き出たとされる温泉は「独鈷の湯」と呼ばれるようになりました。聖水の歴史は世界各地に古くから存在しており、人々の生活や宗教観に大きく影響を与えたのでしょう。

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