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十王信仰と法要について

こんにちは。千年オリーブの森(京阪奈墓地公園内)の福井です。

今回は十王信仰と、それに関する法要についてご紹介します。

 

十王信仰とは

十王信仰はインドの仏教が中国に伝わる際に、中国の民間信仰や道教と融合して成立したものです。日本では平安末期に、仏教由来の末法思想や冥界思想と共に広く浸透しました。

人間を初めとする全ての衆生は没後に中陰と呼ばれる存在となり、初七日から三回忌までの十回の忌日に順次、十人の王の裁きを受けることになります。生前の行いを余すことなく審判され、悪業があれば罰を受けた後に、次に生まれ変わる世界(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上のいずれか)が決定されます。

亡くなった日を1日目として、49日目までの7日ごとに法要を行います。いわゆる初七日や二七日などです。この時、故人は以下のようなスケジュールで冥土への旅路を歩んでいます。

 

初七日:秦広王 (しんこうおう)

最初の7日間、故人はとても険しい山を歩きます。その間、香を食べて進むとされるので、そのために現世ではお線香を焚きます。また、人間の煩悩などを戒めてくれる不動明王に良い裁きがくだるようお祈りします。

二七日:初江王(しょこうおう)

山を越えるとすぐに、三途の川があり、罪の軽い人は橋の上を、それ以外の人は罪の重さに従って浅瀬か濁流かを渡ることになります。その渡し賃が六文かかるので、棺の中に六文銭を入れます。

川を渡りきると初江王に殺生行為の有無を裁かれます。

三七日:宋帝王(そうていおう)

猫と蛇を使って不貞行為の有無を問われます。現世では文殊菩薩にお祈りをします。

四七日:伍官王(ごかんおう)

伍官王は罪の重さをはかる秤を使い、故人はそこに乗せられます。現世では普賢菩薩にお祈りをします。

五七日:閻魔王(えんまおう)

十王の中で最も有名な閻魔王の登場です。浄玻璃の鏡を使って個人の生前の悪行を映し出し、うそをついた人の舌を抜きます。

現世では地蔵菩薩にお祈りします。ちなみに『十王経』等においては、閻魔王は地蔵菩薩の化身ともされています。

六七日:変成王(へんじょうおう)

伍官王と閻魔王の報告に基づき、変成王によって審判がくだされます。生まれ変わるための条件や場所も詳しく決められていきます。

現世では弥勒菩薩にお祈りします。

七七日(四十九日):泰山王(たいざんおう)

これまでの裁判の結果をもとに、最終決定が下される日です。故人は中陰の世界を去り、六道のいずれかに生まれ変わるため旅立ちます。今の裁判に例えるならば変成王が高裁、太山王が最高裁のようなものです。

現世では最良の決定がなされるよう、薬師如来へ祈りを捧げます。

 

それでも結論が出ない場合は、百か日に平等王(びょうどうおう)、1周忌に都市王(としおう)、3回忌に五道転輪王(ごどうてんりんおう)が裁判を行います。

 

どの時期の法要も故人様のために祈り、またご遺族が気持ちの整理をつけ、新しい生活へ歩み出すための大切な儀式ですが、十王信仰との結びつきを考えると興味深いですね。

この記事を書いた人

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