霊園に宗派は関係ある?
投稿日:2020年02月29日
今回は、お墓と切り離せない宗教と霊園についてです。宗派によって、お墓に彫刻する文字や良いとされているお墓の向きが変わることがあります。
また、お墓が建てられる霊園にも宗旨宗派があります。このように、お墓を建てるとなると宗教がかかわってきますが、霊園選びをする際に何か気を付けないといけないことがあるのでしょうか?
霊園に宗派は関係ある?
寺院墓地
寺院墓地の場合、宗派は関係があります。そのお寺の宗派に合わせた作法・戒名・法要が求められ、檀家加入や護持会費が発生する場合もあります。
民営霊園
民営霊園は多くの場合、宗旨・宗派不問です。ただし、法要のやり方や墓石に刻める文字・シンボル、戒名の有無など運用ルールが個別にある場合があります。
公営墓地
原則、宗派不問です。宗教色が薄く、無宗教・キリスト教・神道でも受け入れられるのが一般的です。
永代供養墓・樹木葬・納骨堂
永代供養墓・樹木葬・納骨堂は、宗派不問が主流ですが、運営主体が寺院か民間かで供養方法が変わる場合があります。
「宗派不問」の本当の意味と、見落としがちな制限
「誰でも申し込める」=「何をしても自由」ではない
多くの民営霊園や公営墓地で掲げられる「宗派不問」は、申込資格として宗旨・宗派を問わないという意味が中心です。
一方で、供養の方法・法要のやり方・墓石デザイン・合祀(ごうし)ルールなどは各霊園の管理規約で細かく定められている場合があります。ここを確認せずに契約すると、「思っていた供養ができない」「僧侶を自由に呼べない」といったギャップが生じます。
契約前に必ず確認したい代表的なポイント10選
1. 法要の実施方法・僧侶手配
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霊園が僧侶を紹介するのか、自分で手配できるのか。
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外部僧侶を呼ぶ場合に「持ち込み料」がかからないか。
2. 戒名(法名)なし・俗名のみでも可か
宗派不問でも、納骨時の読経や戒名彫刻を前提にしている霊園があります。
3. 墓石の彫刻ルール(文字・シンボル)
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梵字・南無阿弥陀仏・十字架・星型など、使える宗教記号に制限がある場合があります。
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無宗教デザイン(英字のみ・樹や花のモチーフ等)が可かどうか。
4. 永代供養・合祀のタイミングと方法
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〇回忌後に合祀するのか、最初から合祀なのか。
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個別安置期間の有無・年数、合祀後の参拝可否。
5. 管理料・護持会費の取り扱い
- 「宗派不問=檀家加入不要」でも、年間管理料や合同供養料が別途かかることがあります
- 将来、承継者がいなくなった場合の永代管理料や預かり方法。
6. 改葬(墓じまい→移転)時の条件・費用
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改葬や区画返還の際、手数料・原状回復費がどれくらい発生するか。
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改葬許可証の発行フローを霊園がサポートしてくれるか。
7. 他宗教の儀式・無宗教式の可否
牧師・神職・無宗教の司会者を呼べるか、音楽演奏や読経以外の式典が可能か。
8. ペットとの共葬可否
「宗派不問」でも、人とペットの共葬を禁止している霊園は多くあります。
9. 生前申込(寿陵)の可否と条件
生前に契約できるか、契約後に宗派や供養方針を変えても問題ないか。
10. 合同供養の宗教色
「宗派不問」でも、年忌供養や合同供養は特定宗派の僧侶が読経する事実上の仏教式で行われることがあります。
改宗は必要?宗派が違う家族・夫婦はどうする?
結論|寺院墓地は要確認、民営・公営は原則不要
まず押さえておきたいのは、寺院が運営する墓地では、その寺の宗派に合わせた作法や戒名、檀家加入を求められることがあり、結果として改宗が必要になる場合があるという点です。
対して、民営霊園や公営墓地、宗派不問を掲げる永代供養墓・納骨堂では、原則として改宗を求められることはありません。家族や夫婦の中で宗派が分かれている、あるいは無宗教の方がいる場合は、どのタイプの霊園を選ぶのかが最初の分岐点になります。
寺院墓地で改宗が求められる典型的な場面
寺院墓地に納骨したい場合、その寺の檀家になることが前提に置かれていることがあります。戒名(法名)の授与や受戒、護持会費の支払い、年忌法要を当該宗派の作法で行うことがルール化されているケースも珍しくありません。墓誌の表記や合同供養への参加条件が宗派で明確に区切られていることもあるため、契約前に住職と面談し、改宗の要否や費用、今後の供養の仕方を確認しておくことが欠かせません。
宗派が違う家族・夫婦にとっての現実的な選択肢
宗派が異なる家族や夫婦が同じお墓に入る場合、誰かの宗派に合わせて寺院墓地に入り、同一宗派で供養を統一する道があります。これは作法が一本化できる一方、改宗に抵抗がある人がいたり、檀家費用や将来の離檀の問題が生じたりと、調整の負担が大きくなることも否めません。
もう一つの道は、民営霊園や公営墓地、宗派不問の永代供養墓を選ぶことです。改宗は不要で、宗派が異なる家族でも同じ区画で眠れる柔軟性がありますが、合同供養が仏教式で執り行われるなど、実質的に宗教色が残るケースもあります。
近年は、一定期間は個別区画で安置し、その後に合祀へ移行するタイプの永代供養墓も普及しており、俗名のみの刻字や無宗教デザインを選択できるなど、宗派の違いをやわらかく受け止められる選択肢も増えています。
「戒名なし」でも大丈夫かという不安への答え
宗派不問を掲げる霊園や納骨堂では、俗名のみでの彫刻や納骨を受け付けるところが増えています。一方で寺院墓地では、戒名(法名)を前提としている運用が一般的です。戒名の有無や墓石への刻字ルールは霊園・寺院ごとに異なるため、契約前に必ず確認し、可能であれば書面で控えておくと安心です。
まとめ
今回は、霊園やその他墓地の宗派についてご紹介してきました。大切なのは、「ご本人・ご家族がどのように供養したいのか」という意思を言語化し、それを受け止めてくれる霊園・墓所かどうかを事前に確かめることです。「宗派不問」という言葉だけで安心せず、運用ルールや将来の合祀・改葬の取り扱いまで含めて確認しておくと、後悔のない選択につながります。
不安や疑問が少しでも残る場合は、お気軽にご相談ください。見学・資料請求・個別相談を通じて、最適な供養のかたちを一緒に考えてまいります。
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