少し暖かくなってきました。
霊園内のお参りのお客様も多く見られ、
春の訪れを感じます。
いつもお花を用意しておりますので、
手ぶらでお参りにお越しください。
さて、今回お話させていただくのは、
「享年」、「行年」、「没年」の違い
です。
どれも故人が生きた年数のことで、使われ方に多少の違いがあります。
「享年」、「行年」、「没年」はどれも同じ?
享年・行年・没年は、基本的にはどれも故人が生きた年数のことを言います。つまり、何歳で亡くなったか、ということです。ただし、数え方が数え年であったり、使われる場面が違ったりということはありますが、特に決まった違いがあるわけではありません。
享年
享年とは、「天から生を享けた年月」を表します。その年月の長さを示すわけですから、「才」などはつけず、「享年○○」と表記します。
行年
行年とは、この世に生きてどれくらい経過したかという数字です。これももちろん亡くなった年齢になるのですが、この場合は「行年○○才」と表記します。
没年
没年の場合は、亡くなった時の年齢をさす場合と、亡くなった年月日をさす場合があります。亡くなった時の年齢をさす場合は、「没年○○才」と表記しますが、没年月日というのは故人が亡くなった年月日、つまり命日のことをいいます。
「享年」、「行年」、「没年」の使い分け
享年・行年・没年は、厳密に使い方の違いが決まっているわけではありません。むしろ、その使い分けは曖昧で、墓石や墓誌に刻む際も、宗派などによって使い分けていることが多いようです。
また、すでに享年で刻んである場合は、その後に亡くなってお墓に入る場合、先の記述にならって同じように刻むのが一般的です。
数え年での記載
一般的には享年と行年は満年齢ではなく、数え年での年齢を記載します。数え年というのは、生まれた時が1歳で、次のお正月を迎えたら2歳、そしてお正月が来るたびに歳を重ねるという数え方です。そのため、満年齢よりも1~2歳多い数字になります。
今では数え年を使うことが少なくなったこともあって、墓石に満年齢を刻むお寺なども増えてきました。また、わかりやすいように「享年72歳(没年70歳)」などと記載していることもありますが、これは亡くなった歳が満70歳で、数えだと72歳ということです。
まとめ
「享年」、「行年」、「没年」は、考え方の違いはありますが、その使い方については大きな違いがあるわけではありません。宗派などによって使い分けているので、僧侶に確認するのがよいでしょう。
数え年を使うのが一般的ですが、最近は満年齢を使う場合もあります。