公開日:2023年05月19日
更新日:2023年08月21日
お墓にお骨を納めるのってどうするの
お骨はどうしたらいい?
人が亡くなると火葬され、ほとんどの場合どこかへお骨を入れなければなりません。
お墓に入れるのか、納骨堂のようなところへ預けるのか、探す必要があります。
近年お墓のかたちも多様化していますが、なにがどう違って、どこに注意しなければならないのでしょうか?
また、お墓に入れると言っても、実際何を準備して、どうしたらいいのでしょうか?
実際の例を参考にお墓への納骨の仕方なども紹介します。
お骨を納められる場所
日本は原則火葬
まず、お墓や埋葬の歴史から見ていくと、日本では昔は土葬で埋葬される場所も多くありました。
これは設備が整っていなかったためでもあります。また、貧しい人などは弔われないことも多々ありました。
しかし、明治時代になって感染病など衛生面や場所が無くなってきたことから、火葬が行われるようになり、
今ではほぼ100%火葬されています。
また、今日多くの霊園では火葬されたお骨しか納められない場所がほとんどになっています。
火葬されたお骨は、骨壺に納められ、遺族が預かることになります。
遺骨は相続財産?
遺骨は一般的な相続財産とは違います。
「祭祀財産」と呼ばれ、税はかかりませんし、かならず相続人が受け取らなければならないものでもありません。
相続人とは違った人でも預かる事や、お墓へ納めることができます。
ですが、大切な故人になりますので、よくよく家族で話し合い、誰に託すかを決めなければなりません。
この「祭祀財産」にはほかにも、お墓、位牌、仏壇や家系図が含まれてきます。
お骨は家にずっと置いていていいの?
さて、亡くなった方が出た時点で納めるお墓がない…といった方もいます。
地方から出てきてお墓が遠方、自身が次男・三男なので別に用意しなければならない、両親が合祀の永代供養墓などにしていたので自身の分がない…という場合もあります。
亡くなった後はばたばたするし、お墓のことは二の次になってしまう方もいます。そして気が付いたらずっとお仏壇に遺骨が…なんてこともあります。
お骨を家に安置しておくことは違法ではありません。
ただ、その場合、お骨を次の世代へも引き継いでいってもらわなければなりません。
勝手に捨てたり、お墓でない場所に埋めたりすることはできません。
将来の世代にとって、どんな人かわからない方のお骨を受け継ぐのは負担にもなりますので、
どこかへ納める、というのが一般的です。
お骨はどこに納められる?
衛生上の観点からお骨は墓所以外に埋蔵することはできません。
つまり勝手に家の庭に埋めたり、捨てたりすることはできません。
したがって墓地や納骨堂、散骨などの自然葬という形が現在とられています。
一般的なお墓
まず、埋蔵できる場所は、一般的なお墓があります。
墓地にも種類があり、主には
・市営墓地
・寺墓地
・民営霊園
・村墓地(みなし墓地)
などとあります。
それぞれ土地の所有者が違います。
市営墓地はその名の通り、市で運営されている墓地です。
市営墓地のメリットは、端的に言えばつぶれる心配がないというところです。
寺墓地はお寺の敷地内に併設されているお墓のことを指します。
土地の所有者はそのお寺になります。
民営霊園は土地自体はお寺など宗教法人が所有し、管理運営は石材店が行っていることが多いです。
この場合も土地の所有者はお寺のことが多いです。
村墓地(みなし墓地)は、昭和23年に「墓地、埋葬等に関する法律」という法律が制定されますが、それ以前から墓地として存在していたところを指します。
古いケースでは1,000年以上前から存在するケースもあり、管理者が不明のことも多いです。
石材店の看板などあったら問い合わせてみるなどして確認する必要があります。
昔から私有地などにお墓があった場合は別ですが、新しく個人の私有地などでお墓を持つことはできないと法律で決まっています。
一般的なお墓と樹木葬は違う?
近年、「樹木葬」「永代供養墓」といったかたちが出てきています。
これまでのお墓と何が違うのでしょうか
永代供養墓にも多くの場合の樹木葬にも「永代供養」というものが含まれています。
★永代供養とは…様々な理由でお墓参りに行けない、代が途絶えてしまうという方に代わり、霊園や寺院が遺骨、お墓を管理・供養してくれることをいいます。
一般的なお墓にはこれはありません。
寺などに家族が都度お願いし、お経をあげてもらうことが前提だからです。
しかし、近年、檀家をやめる、などこれまでの慣習が変ってきています。
地元を出ており、地域とのつながりが薄かったり、代が途絶えていくというケースも多くあります。
でも無縁仏になるのは忍びない、供養はしてもらいたい、子供に負担をかけさせたくない、ということで永代供養が選ばれています。
一般的なお墓と樹木葬・永代供養墓では、こういったシステム上の違いや、墓石自体も違ってきています。
多くの場合で、従来のお墓よりも大きさが小さくなり、デザイン自体も多様化してきています。
樹木葬・永代供養墓を選ぶ際の注意点
従来のお墓ではなく、こういった樹木葬や永代供養墓を選ぶ際にはどういった点に注意したらいいのでしょうか?
一般的なお墓と異なり、システムに条件があります。
・永代供養の内容
永代供養付きのものでも、供養をどういった形でするのか、期限はないのか確認する必要があります。
毎日お経をあげますというものもあれば、年に何回と決められているものもあります。
・何人入れるか
1人、2人用と入れる人数が決まっているものから、決まっていない形まで様々な形があります。
入れる人数が少ないほど低価格である傾向がありますが、
将来の世代の家族も一緒には入りたいと考えた場合、もう一つ買わなければならず、結局費用がかさむなど、問題が起こる場合もあるので、ご自身の状況と照らし合わせていく必要があります。
・他の人と一緒にするのか
お骨を個別にせず、家族でない他人ともお骨を合同にされることを合祀(ごうし)といいます。
最初から合祀するものもあれば、13年後などある程度年数が経ったら合祀するもの、将来にわたって合祀しないという形もあります。
合祀をする形の方が個別に場所を用意せずに済むので、比較的安価な傾向にありますが、
一度合祀されたらお骨を取り出すことはできません。
また、故人に会いに来たのに、どこへ手を合わせたらいいのか…となる方もいらっしゃいます。
安易に決めず、本当にそれで良いのか考える必要があります。
・管理費がかかるのか、いくらか
樹木葬、永代供養墓でも、維持していくために管理費を取っているところは多くあります。
その場合には年や月にいくらかかるのか、将来的に考えた場合払い続けることができるのか、という観点から見る必要があります。
・お参りに行けるのか
霊園は街中にあるとは限りません。
山の近くだったり郊外にあることもあります。
車だけでなく、公共交通機関を使って行けるのか、送迎バス等があるのか、情報だけでなく、実際に足を運んでみる必要があります。
また、霊園の園内自体は歩きやすいか、バリアフリーか、綺麗なのかも重要です。
急な坂を登っていったり、通路が狭い場所は、自身が高齢になった時も果たしてお参りできるのか、注意して見る必要があります。
千年オリーブの森では
千年オリーブの森では、上記の諸問題を全て解決した、人数制限なし・合祀なし・管理費なしの永代供養付き樹木葬となっております。
ヨーロッパのお墓のような公園型の墓地で、管理費がないので、必ず継承しなければならないということもありません。
また、園内は全面バリアフリーなので、車椅子、ベビーカーの方、高齢の方でも安心してお参りすることができます。
納骨堂
お墓とは別の方法として納骨堂があります。
納骨堂はお墓とは違い、室内に骨壷のまま安置されています。
昨今では様々な形が出てきていますが、主には
・ロッカー型
・仏壇型
・自動搬送式
といった形があります。
ロッカー型や仏壇型では扉を開けると目の前にお骨が安置されています。
自動搬送式ではエレベーターのようにして目の前に棚が移動してきてお参りすることができます。
メリットとしては屋内にあるので、
・お参りに行きやすい。
・街中などアクセスの良い場所にもある。
・お墓の掃除などの管理の手間が少ない。
といった点が挙げられます。
しかし一方で注意が必要です。
・納骨堂の経営にも市などからの許可が必要ですが、霊園開発より始めやすい傾向にあるため、その納骨堂の経営は健全であるか見極める必要があります。
・将来にわたってお参りできるか
機械で動いている場合、その機械長く使える形のものなのか、将来修繕費など費用を請求されることはないか、長いスパンで検討しなければなりません。
また、樹木葬・永代供養墓の場合と同様に、その納骨堂それぞれによってシステムが異なってくるので、自身の状況と鑑みて決めなければなりません。
海洋散骨など
お墓を建てず、形を残さない方法として自然葬といった形も出てきています。
有名なものであれば、海洋散骨があります。そのほかには宇宙葬、バルーン葬といったものもあります。
形を残さないので、子供たちなど将来の世代に負担がかからないと考え、希望される方もいます。
樹木葬とは別の形で自然に還ることができます。
注意点
・どこにでも撒ける訳ではない
例えば海であったらどこにでも撒けるという訳ではないです。専門業者に問い合わせ、希望する形で行われるのかきちんと聞く必要があります。
・船のチャーター費用などお金もかかる。
日程の確保や、業者、船の手配、移動費など、安価にできる訳ではありません。予算と見合っているか検討しなければなりません。
・将来性
お墓とは異なり形が残らないので、将来の世代の方は例えば海や空に向かってお参りすることになります。
直接会いに行き、ここにいるのだとわかることはできません。自身は望んでも、家族はどのように考えているのか話し合いが必要です。
また、形を残さないので、亡くなる方が出る度に、その都度お骨をどうしていくのかといった問題が残ります。お墓の形であれば、そういった問題は少なくなります。
また最近では衛生上の観点から反対の声も上がっています。
散骨したい、できる場所はどういったところであるかも確認する必要があります。
バルーン葬に関してはこちらの記事でも紹介しています。
https://e-saikaku.co.jp/faq_khn/post-23361/
納骨の際の注意点
一般的なお墓の納骨を例に
この動画はお墓開き(開眼)と納骨が行われている様子です。
お墓をさらしで巻き、お披露目します。
お墓の中へお骨を入れるための扉があるので、そこからお骨をお部屋に納めます。
また御供物はお花、お線香だけでなく、こんぶやするめなどの海の物、季節の野菜や果物など山のものを準備します。
また故人の好きだった食べ物、飲み物なども用意することができます。
また、東日本ではお墓へお骨を骨壷ごと納めます。また、火葬場でお骨を全て拾ってくるため、骨壷も大きくなる傾向があります。
西日本ではお骨を火葬場で部分的に収骨してきます。そのため骨壷は小さくなる傾向にあり、また、多くのお墓で、骨壷からさらしの白い布に移し替えて納骨するので、樹木葬だけでなく、一般的なお墓でも土に還っていきます。
納骨はいつするもの?
納骨はいつしなければならないという決まりはありません。
お墓があるのであれば、亡くなってすぐや、四十九日といったタイミングで納めることができます。
一から探す場合、霊園によっては納骨できるようになるまで数ヶ月といった時間がかかることもあるため、余裕を持って探す必要があります。
そのほか一周忌など回忌法要に合わせて納骨する方や、親族の都合の合う時に合わせて行う人もいます。
また、故人と離れ難いという方もいらっしゃいます。お気持ちのついたタイミングで納骨することももちろん可能です。
どんな格好がいいの?
納骨の際、お寺を読んで供養してもらう場合には喪服か黒っぽい服装が推奨されます。
夏や冬は温度の変化が激しいので、気温に合わせた服装にすることも大切です。
分骨
分骨とは?
一ヶ所にお骨を全て納める以外に、二ヶ所以上にお骨を分けて納骨することもできます。それが分骨というものになります。
火葬の段階で分けておくこともできますし、どこかにお骨を納めた後で、やはり分骨したいということもできます。
書類の注意点
分骨する際には「分骨証明」といった書類が必要になります。
この分骨証明はもし亡くなった段階で分骨することが決まっていた、予想されるのであれば火葬場で発行してもらうことができます。
どこかに納めたあとで分骨する際には納めたところの管理者から発行されます。
その証明を新しく納めるところへ提出します。
お墓じまいの注意点
昨今はこれまでのお墓を維持していけないということで、お墓じまい、お墓の引っ越し=改葬を行う人も増えてきています。
お墓じまいするのであれば、どういった点に注意して行えば良いのでしょうか?
準備しておくもの
お墓じまいの際には
・お墓がどこにあるのか
・土地の所有者、管理者は誰か
・移転先はどこにするか
・親族がいる場合、了承を得ているか
・お寺などと話はしたか
・お墓を解体するのであれば、業者はどこの石材店に頼めるのか
といった注意点があります。
詳しくはこちらのページもご参照ください。
https://e-saikaku.co.jp/faq_khn/post-61351/
もし、お骨が土葬だったら?
古いお墓ですと、お墓を実際開けてみたら、土葬のお骨があった…ということもあります。
その際には日本の霊園はほとんどの場所が火葬されたお骨しか納めることができないので、そのお骨を火葬する必要があります。
お墓がある市区町村の火葬場で行えるのか、あるいは今住んでいる地域の市区町村の火葬場で行えるのか調べる必要があります。
そこの市民でないと市外料金で火葬の費用が大幅に高くなってしまうこともあるので、受け入れてもらえるかどうか確認してみましょう。これは市区町村によって異なります。
千年オリーブの森ではそういったわかりづらいこともスタッフでお調べすることもできます。
執筆者:株式会社西鶴 代表取締役 山本一郎
千年オリーブの森に何でもご相談ください
千年オリーブの森では、お墓じまい、お墓の引っ越し(改葬)のお手伝いもしております。
役所ではどのように手続きしたらよいのかお調べすることができます。また、実際の解体工事に行くこともできます。
まずは気になる事、ご不明な点など、お気軽にご相談ください。
お問い合わせフォームのほか、お電話、公式ラインもございます。
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