公開日:2023年03月21日
更新日:2023年03月26日
もし孤独死したらどうなる?
増えている単身世帯と孤独死
現在、若い世代の方だけでなく、高齢者の方でも、単身で自宅で暮らしているという方が増えています。
その中で、亡くなる際に親族に迷惑をかけたくない、と考えている方も多くいらっしゃいます。
では実際、人が亡くなった際はどういう流れで事が運ぶのでしょうか?役所はいざというとき面倒を見てくれるのでしょうか?
基本的な流れは?
では、亡くなった後、どういった流れで事が動くのでしょうか?
まずは連絡
孤独死してしまった場合、発見時点で発見者が警察へ通報します。近所の人や賃貸の場合、大家さんが動く事もあります。
そして親族へ連絡が行きます。
賃貸の場合は保証人にまず連絡が行き、連絡が付かない場合はその後役所から子やきょうだいに連絡が行きます。3親等までは連絡がいくことが多いようです。
疎遠の家族に迷惑をかけたくないと考えていても、連絡は来ます。
もし、訪問介護などを受けていた場合、発見時点で倒れていてもまだ息がある場合、医師を呼んでくれるケースもあります。亡くなっていた場合、警察が呼ばれます。
医師を呼んだ場合、自宅で死亡が確認された時点で死亡診断書が書かれます。
現在利用している、または利用予定のサービスがどのようになっているか確認しておく必要があります。
介護のサービスと、医療機関、役所が連携していた場合、その後速やかに死亡届が受理され、直葬という形で火葬まで行われる場合もあります。
ですが、必ずやってくれる、言わなくても死後の諸々の手続きをしてくれるというわけではありません。
連絡がつかない場合
では連絡がつかない、あるいは一切の面倒を見ませんと断られた場合はどうなるのでしょうか?
役所は火葬を行いますとは言いません。ですが、本当に誰もいない場合は、遺体をそのままにしておくことはできないので、火葬は実行されます。
その後、数ヶ月の間遺骨は保管され、引き取り手が現れない場合合葬の供養墓に埋蔵されます。
自分が遺体・遺骨を引き取ることになったら
もし、自分に親族が亡くなったので遺体または遺骨を引き取ってほしいと連絡が来たらどうしたらよいのでしょうか?
警察から連絡が来た場合、まずは身元の確認に行かなければなりません。身元の確認は、故人が住んでいた地域の警察署で行われるのが一般的です。
その際には、以下のものを準備しておくと安心です。
・戸籍謄本(故人との繋がりが証明できるもの)
・住民票
・身分証明書(運転免許証、パスポート等)
・印鑑
・着替え
・喪服
・数珠
・現金
・ファイル(書類が多量になるため)
・スマホ・携帯電話
・移動用スマホのバッテリー
また、孤独死した際、勝手に亡くなった方の部屋に立ち入ることはできません。
警察が調査し、事件性がないと判断されてから入室することができます。
貴重品などは警察が預かってくれています。警察に伝えれば、それらを確認することもできます。
警察は「死体検案書」という書類を発行します。遺体の死亡推定時刻や、死因が特定されます。
遺体は「死体検案書」が発行されてから、一緒に引き渡しされます。
すぐ発見された場合は一週間程度で引き渡されることが多いですが、発見が遅くなったり、事件性があると判断された時には数か月に及ぶ場合もあります。
その間に葬儀社や遺品整理の業者を探しておくと、事がスムーズに運びます。
孤独死の場合、自身で生活が維持できずに部屋が荒れていることが多いです。
ごみを処分するのもタダではできないので、処分にお金がかかります。
また、遺体が腐乱したことにより、特殊清掃が必要な場合が多く、特殊清掃業者の手配が必要な場合も多いです。近年では、遺品整理と特殊清掃を一緒に行える業者もいます。
遺体と「死体検案書」を引き取ったら、「死亡届」「埋火葬許可申請」を行う必要があります。
これは葬儀社で代行して行ってもらうこともできます。
火葬に立ち会った際、遺骨と共に「火葬許可証」という書類が発行されます。どこかへお骨を納める際必ず必要になるので、大切に保管をしてください。
役所で行う手続き
亡くなってから14日以内などと決められている場合も多くありますので、速やかに手続きを行う必要があります。
・世帯主の変更
以前同居していた家族が住民票等の転出の手続きを行っておらず、亡くなった方が書類上では複数人数の家族の世帯主だったというケースもあります。
そういった際には世帯主の変更を行う必要があります。
届出人の本人確認書類が必要です。また、別の世帯の人が行う場合には委任状が必要です。
・印鑑登録
印鑑登録をしていた場合、印鑑登録証のカードを返納する必要があります。
・国民年金
国民年金に加入している、または受給しているといった場合には受給停止の手続きや、遺族年金、未支給年金の請求をすることができます。
・健康保険
国民健康保険・後期高齢者医療制度に加入している場合には各種証の返納や、葬祭費の支給申請をします。
・福祉医療制度に加入している
故人が福祉医療制度に加入していた場合、資格喪失届を出します。
そのほかにも自治体から支援を受けていた場合、各証明や手帳の返納が必要になります。
公共料金などの手続き
自宅で亡くなった際は電気、ガス、水道などの公共料金の解約手続きや、賃貸の場合は不動産会社での解約手続き、固定電話・携帯電話の解約も必要になります。
携帯電話の解約の一例
死亡解約の際には、死亡診断書か除籍謄本など、死亡が証明できる書類が必要となります。
解約の際には家族でも、代理人でも本人確認の書類として免許証、パスポートや保険証などの提示が求められます。また、実際使っていた機種も持参すると良いです。
基本的には機種は持ち帰りとなります。(データなどが見れるため)
代理店に赴いても、何らかの事情で手続きが複雑になる場合には、お客様センターに繋がれることもあるようです。
また、名義の承継も可能です。その際にも死亡が証明できる書類が必要となります。また、名前の二重確認を求められる場合もあり、今後の支払い先の手続きも必要になるので、クレジットカードや通帳も持参すると良いでしょう。
これは相続人でない親族の人でも行うことができます。
ただし、相続人ではない人が行う場合は自身は相続人ではないことを伝える必要があります。相続人の場合、未払いの料金を払わなければならないことがあります。また、解約までその月分は払わなければならないケースが多いです。
その他に手続きが必要な主なものは以下になります。
・生命保険
・預貯金口座の凍結解除手続き
・株式など
・相続についての手続き(遺言書がある場合には検認や開封、相続を放棄する場合でも申告が必要)
・インターネット、ケーブルテレビなど
・NHKの受信料
・運転免許証やパスポートなどの返納
・クレジットカード
・自動車、バイクの名義変更、または廃車
・不動産登記の相続
・そのほか定額のサービスやレンタル品があったら解約、返納
など
清掃に入る前の注意点
手続きが済んだら、遺品整理、住宅の処分の問題があります。
自身でできるところまでする事で、費用を抑えることができます。
ただし、自身の仕事や家事と並行して行うとなると非常に時間も負担もかかりますので、任せる部分は任せるのが結果的に負担を少なくすることにもなります。
処分の前に、遺産相続にかかるものがないか確認しておく必要があります。
現金
通帳
保険証書
登記簿等
貴金属品、ブランド品等の高級品、骨董品
このようなものは遺産相続がどうなるか決定するまで、勝手に処分したりすることはできません。
相続の際の注意点
故人に借金、滞納家賃や滞納税などの負債があって相続したくない場合には、相続放棄をすることができます。
相続放棄をすれば、負債も資産も一切相続せずに済みますが、預貯金や動産などの遺産を少しでも受け取ることはできません。また、受け取った後で相続放棄することはできません。
相続放棄には「3ヶ月」の期限もあるので、注意する必要があります。
遺骨を納める
また、お骨を引き取った場合、遺骨はどこかへ納めなければなりません。
現在は従来のようなお墓だけでなく、納骨堂や永代供養墓、樹木葬など、様々な形の供養の形が出てきています。
自身で見ていけないという場合、お寺が家族に代わって永代に渡って供養をする永代供養のものを選ぶ方が多いです。
永代供養にもさまざまな形があり、最初から他の人と合祀をする(お骨を一緒にし、誰が誰のお骨か分からなくなる)ものもあれば、期限が設定されていて、その後合祀になる、または合祀はしないという形のものもあります。
自身の希望に沿ったものはどれか、予算、距離、信頼性など適う条件のものを探す必要があります。
以上のように、準備せず孤独死した場合、結果的には親族に面倒やお金がかかってしまうというケースが多くあります。
終活という言葉も叫ばれて久しいですが、実際どういう準備をしておけば良いのでしょうか?
繋がりを保つとは
孤独死の背景には、家族との関係の途絶、地域社会との関係の途絶が挙げられます。
そもそもそういった交流が厭わしい人もいます。
そういう人でも、定期的に医療機関に受診し検診を受けたり、病気が見つかった場合には、終末医療の場面で延命治療を望まないなど、自身の意思を決めておき、伝えておく必要があります。
医療、または介護のサービスを利用して関係性を繋いでおくことで発見が遅れるということを防いだり、自身の望む最期を選択することができます。
また、世話をかけたくないから施設に入らず自分で生活するという選択をする人もいますが、そういった場合、結果的に上記のように負担がかかるのであれば、施設への入居も検討されると良いです。
孤独死が起こった部屋は、原状復帰のための清掃に大きな金銭がかかるケースや、その後事故物件として扱われ、次の入居者が決まらないといったケースもあります。
遺言書の注意点
自身の身の振り方について決めておくために遺言書を書いておこうという方もいますが、遺言書は自身の財産についてしか指定することができません。
葬式はどこでしてほしい、どこにお骨を納めてほしいなどは指定することができないので、注意が必要です。
千年オリーブの森に何でもご相談ください
千年オリーブの森では、お墓じまい、お墓の引っ越し(改葬)のお手伝いもしております。
役所ではどのように手続きしたらよいのかお調べすることができます。また、実際の解体工事に行くこともできます。
まずは気になる事、ご不明な点など、お気軽にご相談ください。
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