公開日:2017年10月31日
更新日:2024年01月26日
散骨について詳しく教えてください。
散骨とは、言葉通り故人の遺骨を撒く埋葬方法のことです。
散骨が選ばれる理由とは?
近年、価値観の多様化やライフスタイルの変化などによって、供養の仕方も変わってきています。先祖代々受け継がれてきたお墓を維持したり管理するのが難しい、お金をかけて立派なお墓を作っても子供や親族がおらず跡継ぎがいないなど、様々な理由や社会的な変化から散骨をする人が増えています。
<散骨が選ばれる主な理由について>
- 人も自然に還るのが一番だと思っている。
- 大自然の一部になれるという価値観。
- 故人が強く散骨を希望していた。
- 故人が海や山などの自然がとても好きだった。
- お墓にあまり高額な費用をかけたくない。
- お墓の管理で親族に負担をかけたくない。
散骨の歴史について
散骨の歴史について簡単にご紹介致します。
日本で散骨が行われるようになったのは、最近のように思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、最も古いものでは「続日本後記」に散骨についての記載が残っています。淳和天皇が「骨を砕いて粉と為し、之を山中に散らすべし」と遺言を残しています。
その後「万葉集」には、散骨についての「玉梓の 妹は玉かも あしひきの 清き山辺に 撒けば散りぬる」という記述が残っており、江戸時代にでは、江戸幕府による檀家制度によってお墓に埋葬されるようになりました。
近年、日本では亡くなった人を火葬し、遺骨をお墓に納めるのが一般的です。
1948年に「墓地、埋葬等に関する法律」が制定され、戦後、散骨は違法行為と受け止められている時代がありました。
1991年に結成された団体「葬送の自由をすすめる会」が社会に自然葬を広めることを目的とし、初めて相模灘で散骨を行いました。これが、初めて日本で公式的に実施された散骨になります。それに伴い、法務省では「葬送を目的とし節度を持って行う限り、死体遺棄には 当たらない」という見解を述べ、一定の節度を持って実施することで合法的に散骨を行えるようになりました。
時代によって埋葬方法も変わっていきます。ご自身やご家族が納得のいくお別れの仕方をお選びいただければと思います。
散骨の種類
散骨には、様々な埋葬方法がありますが、一般的によく選ばれるものを3つご紹介します。
・海洋散骨
船などをチャーターして遺族が散骨を行います。一番選ばれている散骨方法です。
・樹木葬
霊園などの墓地の樹木の下に遺灰を撒く埋葬方法です。
・山での散骨
自分又は他者が所有している山林で行う散骨です。陸地での散骨は、条例が定められているところもあるので、散骨する前に自治体に確認しておきましょう。
まとめ
散骨は、近年注目されている埋葬方法の一つですが、注目され始めているといっても、昔ながらの風習を大事にされている方も大勢いらっしゃいます。そのため、遺族の承諾を得ずに散骨を行いトラブルになっているケースもあります。散骨は、法律でしっかり決められた規則がないため、散骨する場所などを安易に決めたりしてトラブルになることも多いようです。散骨を行う際は、必ずマナーを守り、散骨に望ましくない場所は避けるか、きちんと許可を取って行うことが大切です。
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